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豊島逸夫の金のつぶやき

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シリアリスクを読む勘所

2018/4/13 10:54
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シリア攻撃に対する懸念の「再燃」と「後退」の間で日々市場が揺れている。

足元では「後退」というより、英仏連合による攻撃に向けて最終調整中の段階であろう。英国のメイ首相は議会を通さず決める姿勢だ。マクロン仏大統領は化学兵器使用の確たる証拠をつかんだと明言している。

市場への影響は、シリアへの攻撃だけなら一過性となろう。しかし、米ロ冷戦がシリア情勢により深刻になると、長期的な要因として要経過観察だ。シリアに介入するイランと米国の関係もさらに悪化すると、核合意の破棄など極端な動きに発展しかねない。

米ロ冷戦の今後の展開を読む勘所は、ロシアゲートと米中間選挙だ。

モラー特別検察官率いるロシアゲート捜査チームはトランプ米大統領陣営への周辺捜査を粛々と進め、本丸に迫っている。トランプ大統領がロシアとの共謀疑惑を払拭するには、ロシアをたたくことが最も効果的だろう。

共和党も良識派のリーダー格であるポール・ライアン下院議長が引退の意向を示したことで、一気に内部の亀裂が深まる様相だ。中間選挙で民主党の優勢が伝えられる中で、追い詰められたトランプ大統領が対ロシア政策を強硬にするリスクがある。

トランプ大統領が、環太平洋経済連携協定(TPP)復帰を視野に国家経済会議(NEC)委員長と米通商代表部(USTR)に検討を指示したことも、中間選挙を意識した動きだろう。米中貿易摩擦で豚肉や大豆などの対中輸出減リスクに直面する農業州では、共和党の議員たちが中間選挙に危機感を強め、昨日ホワイトハウスに陳情した。TPP復帰の検討指示はトランプ氏の懐柔策といえる。ただし、「非常に良い条件なら復帰も検討」とする従来の発言内容は変えていない。

トランプ大統領の次の一手が読めない市場で、ボラティリティーが高まる状況は当面変わるまい。

豊島逸夫(としま・いつお)
 豊島&アソシエイツ代表。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)入行後、スイス銀行にて国際金融業務に配属され外国為替貴金属ディーラー。チューリヒ、NYでの豊富な相場体験とヘッジファンド・欧米年金などの幅広いネットワークをもとに、独立系の立場から自由に分かりやすく経済市場動向を説く。株式・債券・外為・商品を総合的にカバー。日経マネー「豊島逸夫の世界経済の深層真理」を連載。
・公式サイト(www.toshimajibu.org)
・ブルームバーグ情報提供社コードGLD(Toshima&Associates)
・ツイッター@jefftoshima
・業務窓口はitsuo.toshima@toshimajibu.org

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