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土砂災害、前兆に注意 落石や地鳴り「早めの避難を」

大分県中津市で発生した山崩れは、崩落が起きてから瞬く間に麓の住宅を襲ったとみられ、土砂災害の危険性を改めて浮き彫りにした。国内には土砂災害の恐れがある地域が数多くある。被害を最小限に抑えるために必要な手立ては何か。専門家は「前兆を見逃さず、一刻も早く避難する意識が大切だ」と強調する。

幅約200メートル、高さ約100メートルにわたり裏山が崩れた今回の災害現場。発生の数日前、裏山から石が転がるような音が聞こえたとの住民の証言があるという。11日に現場を調査した国土交通省の桜井亘・深層崩壊対策研究官は「崩落の前兆現象だった可能性がある」と指摘する。

同省などによると、土砂崩れは土地の隆起や岩盤の風化、雨水や地下水の増加といった地中の変化が主な要因となる。立命館大の小林泰三教授(地盤工学)は「原因が地中にあっても、崩落前に何らかの異変が地表に出ることが多い」と話す。

今回の現場は直前に大雨や地震が観測されていない。土砂災害の前兆として挙げられるのは落石や斜面の亀裂、湧き水の濁りなど目で確認できるもののほか、地鳴りや特異な臭いもある。同省は2007年にまとめた「土砂災害警戒避難ガイドライン」で、前兆を把握した場合はただちに避難を始めるよう住民に呼びかけている。

前兆現象を被害防止につなげたケースもある。04年、奈良県大塔村(現五條市)の国道沿いの斜面に複数の亀裂が入っているのを管轄する県担当者が発見。専門家による調査結果を基に土砂崩れの発生を予測し、付近を通行止めにしたところ、その2日後に幅約120メートルの崩落が起きた。

都道府県は住民らの備えを促そうと、土砂災害の危険性がある地域を「土砂災害警戒区域」、特に大きな被害が出る恐れがある場合は「特別警戒区域」に指定している。2月末時点で警戒区域は全国で約51万カ所、うち特別警戒区域は約36万カ所に上る。

こうした地域では前兆への注意が欠かせないが、京都大防災研究所斜面災害研究センターの釜井俊孝教授は「山間部では過疎化や高齢化が進み、異変の感知が難しくなっているのではないか」と危惧する。

NECは15年、斜面に埋めたセンサーで地中の水分量を読み取り、地滑りや土石流の恐れを察知するシステムを開発。過去に豪雨災害が頻発していた長崎県諫早市が17年4月に導入し、避難勧告を出すシステムと連携させるなど、国内外の約20カ所で導入や実証実験が進んでいる。

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