中国重慶市前トップ、収賄罪認める 習氏に逆らえぬ政治状況映す

2018/4/12 14:44
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【北京=多部田俊輔】中国の天津市第1中級人民法院(地裁)は12日、習近平(シー・ジンピン)国家主席の後継候補と一時は目された前重慶市トップ、孫政才・前同市共産党委員会書記の初公判を開いた。収賄罪に問われた孫氏は起訴内容を認めた。同地裁は1カ月内に無期懲役以上の重い判決を下す見通し。2017年7月の解任から1年以内という異例のスピード決着は、習氏に誰も逆らえない中国の現状を映し出す。

孫氏は法廷で「自分が法律の裁きを受けるのは当然の報いだ。罪を犯したことを心から認め、悔やんでいる」と述べ、職務上の地位を利用して巨額の賄賂を受け取ったり、関係者に便宜を図ったりした収賄罪などの罪状に異議を示さずに起訴内容を認めた。中国版ツイッターといわれる微博(ウェイボ)を通じた同地裁の速報によると、記者を含む約130人が公判を傍聴した。

孫氏は北京時代に頭角を現して農業相に抜てきされた。12年には49歳の若さで党指導部を構成する25人の政治局員の1人に選ばれた。一時は習氏の後継候補にも目されたが、昨年7月に重慶市トップを解任された。

国営新華社によると、孫氏やその関係者が02年から17年までに北京市幹部、農業相、吉林省トップ時代を含めて関係者から受け取った賄賂の金額は約1億7000万元(29億円)に達するという。

同地裁は1カ月内に判決を下す見通し。習氏のライバルと一時はみられた元重慶市トップの薄熙来氏と、胡錦濤(フー・ジンタオ)前国家主席の側近だった令計画・元全国政治協商会議副主席はそれぞれ失脚後に無期懲役の判決を受けている。孫氏には無期懲役かそれ以上の重い判決が下されるとの見方が多い。

習氏側近で孫氏の後任に就いた陳敏爾・重慶市共産党委書記は連日のように会議を開き、孫氏や薄氏を強く批判する発言や文書の公表を繰り返す。孫氏時代の幹部の更迭と新しい党幹部の登用も加速し、習氏への忠誠のアピールに余念がない。

孫氏解任から初公判までの期間は9カ月。薄氏や令氏の場合は1年以上かかっており、異例のスピードだ。香港メディアの記者は「全国の党員に対し、『習氏への忠誠が揺らげば摘発する』という強い姿勢を示している」と分析する。

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