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独特な重圧も感動も チーム戦ならではの醍醐味
公益財団法人日本ゴルフ協会専務理事 山中博史

(3/3ページ)
2018/4/16 6:30
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さて、その組が18番のティーイングラウンドに上がったとき、この状況を選手に伝えるべきかどうかで悩みました。我々の出した結論は「伝えない」というものでした。この選手の性格を考えたとき、伝えないほうがよいだろうということになったのです。

最終ホールはパー5です。両選手とも3オンで我々は約5メートル、相手は約2メートルのバーディーチャンスです。我々の選手はいいパットをしましたが僅かに外れてパー、相手のパットを待つときはチーム全員が祈る気持ちでした(もちろん欧州チームも同じです)。そして、相手のパットが外れたとき、歓喜の瞬間が訪れたのです。

大沢選手(左)と金谷選手を誇りに思う

大沢選手(左)と金谷選手を誇りに思う

実はその選手とは、2017年の日本アマに優勝した大沢和也選手だったのです。大沢選手は現地に入ってから調子が上がらず、2日間終わって0ポイントだったのです。何も知らされていない大沢選手はなぜみんなが大騒ぎしているのかわからず、キョトンとしていました。ですが、状況を知って「もしわかっていたらとてもじゃないけれど、冷静にプレーできなかった」と言っていました。今回参加したもう一人の日本人選手は、昨年の日本オープンで最後まで優勝争いをした金谷拓実選手でした。もし、彼が大沢選手の立場だったら我々は状況を伝えていたかもしれません。

チームのために戦い勝った経験

勝負は時の運です。もちろん今回優勝できたことは最高にうれしいのですが、それよりも感動したのはチームが一つになって頑張れたこと、若い選手たちがチームのために戦う、そして勝利するという経験を積めたこと、仲間を信じて祈ったことです。きっと彼らは全員がプロゴルファーになるでしょう。でも優勝が決まった後にみんなで抱き合ったこの喜びと感動を忘れないでほしいと思います。そして今回、日本から参加し、活躍した大沢選手と金谷選手のことを誇りに思います。

ちなみに次回は20年にスペインで開催されます。欧州チームはホストになり、きっとリベンジしようと燃えているでしょう。次回はどんな展開になるか今から楽しみです。

読者のみなさんもたまにはチーム戦を計画して経験してみてください。きっと新たなゴルフの楽しさ、魅力、感動が味わえると思いますよ。

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