2018年11月13日(火)

米携帯、3度目の再編観測 スプリントとTモバイル

IoT
モバイル・5G
2018/4/11 14:56
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ソフトバンクグループ(SBG)傘下で米携帯電話4位のスプリントと3位のTモバイルUSの統合観測が再び浮上した。10日の米株式市場で両社の株価は大幅高となり、11日の東京市場ではSBG株も買われた。両社はこれまでも経営統合を模索したが、2度も白紙撤回している。SBGは「コメントを控える」としており、実現するかどうかは依然不透明だ。

スプリントの店舗(ニューヨーク)

スプリントの店舗(ニューヨーク)

■スプリント株大幅高

スプリント株の終値は17%高の6.02ドルと大幅高になった。Tモバイルも6%高の63.13ドルで引けた。きっかけは米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが10日、統合交渉を再開したと報じたことだ。実現すればベライゾン・コミュニケーションズとAT&Tの米2強に対抗できるとの期待が強まった。翌11日の東京市場ではSBG株が買われた。

米携帯市場ではベライゾン、AT&Tの契約者数がそれぞれ1億人を超える。スプリントとTモバイルは水をあけられ、統合してようやく肩を並べる規模だ。単独で2強と戦えないとの危機感から、SBGとTモバイルの親会社ドイツテレコムは2013年から統合に向け交渉してきた。

14年には米当局の承認が得られないとして白紙撤回した。ただ、その後も常に統合の可能性を模索。2度目の交渉は、統合する新会社の経営の主導権をお互いが主張して溝が埋まらず、17年11月に東京で開かれたトップ会談で破談となった。

次世代通信規格の「5G」は数年後に商用化される。米2強が投資やサービスの強化を打ち出すなかで、両者が三たび歩み寄ろうとした可能性がある。

SBGは投資会社としての性格を強めている。保有する中国アリババ株を担保に、このほど銀行団から9千億円近くのノンリコースローン(非遡及型融資)をまとめた。米ライドシェア大手ウーバーテクノロジーズなどへの巨額投資の資金を補うブリッジローンとみられる。ファンドからあがる利益、社債発行や融資による資金調達を組み合わせながら、次の大型投資の機会を探る。

サウジアラビアなどと運用額10兆円規模のファンドを立ち上げたほか、日本の携帯子会社を上場させる準備も進める。日米の携帯子会社、ファンドなどを傘下に持ち、グループとして人工知能やロボットなどへの投資をグローバルで進めるというのが戦略だ。孫正義会長兼社長はその中でスプリントを「5年、10年という単位でみれば戦略的に欠かすことのできない企業」と位置づける。

■SBG取締役会「手放すべきではない」

ただ、スプリントの時価総額はTモバイルの半分程度。統合新会社をつくれば、SBGの影響力が下になり主導権を失う可能性がある。このためSBGの取締役会は前回の交渉時に「米国の携帯事業会社を手放すべきではない」との結論を出した。この方針が急に変わるとは考えにくい。

それでも改めて正式な交渉のテーブルにつくとしたら、その理由はどこにあるのか。はっきりとは見えないが、今後の孫氏の判断がSBGのみならず米通信市場を左右することは確かだ。(佐竹実)

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