2019年2月17日(日)

満身創意(岡崎慎司)

フォローする

FWとして… 常に宿題は残ったまま

2018/4/12 6:30
保存
共有
印刷
その他

ケガから3月上旬に復帰して、リーグ戦2試合に先発し2連勝。ゴールという結果はないが、勝利に貢献しているという手ごたえはある。

レスターでの3季目も残り6試合になり、チームは8位につけている。優勝した最初のシーズンは「奇跡」だった。プレミアリーグはトップ4と呼ばれるマンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リバプール、チェルシーに加えて最近はマンチェスター・シティー、トッテナムの力が群を抜いている。レスターの地力を考えれば、プレミアリーグ中位をキープできているのは悪くない。

僕がプレミアリーグでプレーしようと考えたのは、ここの環境が僕に最も不利だったからだ。身体能力の高い選手が集うリーグで、その能力では劣る自分がいかに生き残れるか、挑戦したかった。

そして、僕は攻守にわたる運動量と献身性で、ライバルたちとの「違い」を示そうと考えた。守備から攻撃に転じるときのつなぎ目として、ボールを受けたら前を向くことを徹底し、誰よりも走ることを自分に課した。それがリーグ優勝メンバーという結果につながった。

得点数というFWの「本質」の部分で結果を示せず、ストライカーとして期待してもらえない現実に苦しむこともあった。「いかにチームを助けるか?」「今、僕は何をすべきか」を悩み、考え抜きながら過ごす日々。今は自分のプレーがチームに欠かせない仕事だという自負はある。

FWである限り、ゴールにこだわるのは絶対だ。その気持ちは強い。同時に「サッカーはそれだけではない」という思いもある。ピッチに立つ選手が自分のゴール、プレー、アピールだけを考えたらサッカーは成立しない。

例えば前線の選手の手抜きのないチェイシング、シュートに対する体を張った守備、球際の勝負……。さまざまなディテールを積み重ねて勝利は生まれる。大げさにいえばボールにほぼ触らずとも、ずっと質の良い走りを続ける選手の存在が誰かを生かし、チームを動かすこともサッカーでは起こりうる。

選手個々の能力で劣るレスターにタイトルをもたらしたのも自己犠牲をいとわないハードワークだった。そんなチームの原点を僕はピッチで表現したい。ただ点を取るだけのストライカーが理想ではないからだ。

今季は6得点を挙げ、ビッグ6を相手にしても戦える自信がある。それでも満足感や達成感とは無縁だ。プロになって10年あまりが過ぎたけれど、「今が一番」と感じたことはない。いい結果が続いても危機感はいつも抱いている。できる仕事はあるけれどゴールを決めるという最後のピースがなかなか埋まらない。常に宿題が残っているような心境なのだ。

(レスター所属 岡崎慎司)

満身創意(岡崎慎司)をMyニュースでまとめ読み
フォローする

保存
共有
印刷
その他

サッカーコラム

電子版トップスポーツトップ

満身創意(岡崎慎司) 一覧

フォローする
欧州での現役生活をまだまだ続けるつもりだ=ロイターロイター

 欧州へ渡ってドイツのシュツットガルトで2シーズン半、マインツで2シーズンを過ごし、英国のレスターに移籍した。移籍で環境を変えることは試合に出る、出られないに関係なく、成長に欠かせない行為だと僕は思う …続き (1/23)

身体への目覚めは30歳を過ぎての新しい挑戦の一つになった=ロイターロイター

 僕と同じ年の長友佑都(ガラタサライ)は身体のケアだけでなく、食事に着目した「食トレ」など、コンディション調整については昔から熱心に取り組んでいる。そういう姿を何年も間近で見て、感心しながらも、僕自身 …続き (2018/12/26)

長谷部(右)について「自身の名声や実績に酔うことがない人だ」=共同共同

 先日、長谷部誠さん(アイントラハト・フランクフルト)と、家族ぐるみで食事をした。長らく代表のチームメートとして活動してきたが、2人でじっくり話し込むのは初めてのことだった。 …続き (2018/11/28)

ハイライト・スポーツ

[PR]