2018年12月12日(水)

満身創意(岡崎慎司)

フォローする

FWとして… 常に宿題は残ったまま

2018/4/12 6:30
保存
共有
印刷
その他

ケガから3月上旬に復帰して、リーグ戦2試合に先発し2連勝。ゴールという結果はないが、勝利に貢献しているという手ごたえはある。

レスターでの3季目も残り6試合になり、チームは8位につけている。優勝した最初のシーズンは「奇跡」だった。プレミアリーグはトップ4と呼ばれるマンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リバプール、チェルシーに加えて最近はマンチェスター・シティー、トッテナムの力が群を抜いている。レスターの地力を考えれば、プレミアリーグ中位をキープできているのは悪くない。

僕がプレミアリーグでプレーしようと考えたのは、ここの環境が僕に最も不利だったからだ。身体能力の高い選手が集うリーグで、その能力では劣る自分がいかに生き残れるか、挑戦したかった。

そして、僕は攻守にわたる運動量と献身性で、ライバルたちとの「違い」を示そうと考えた。守備から攻撃に転じるときのつなぎ目として、ボールを受けたら前を向くことを徹底し、誰よりも走ることを自分に課した。それがリーグ優勝メンバーという結果につながった。

得点数というFWの「本質」の部分で結果を示せず、ストライカーとして期待してもらえない現実に苦しむこともあった。「いかにチームを助けるか?」「今、僕は何をすべきか」を悩み、考え抜きながら過ごす日々。今は自分のプレーがチームに欠かせない仕事だという自負はある。

FWである限り、ゴールにこだわるのは絶対だ。その気持ちは強い。同時に「サッカーはそれだけではない」という思いもある。ピッチに立つ選手が自分のゴール、プレー、アピールだけを考えたらサッカーは成立しない。

例えば前線の選手の手抜きのないチェイシング、シュートに対する体を張った守備、球際の勝負……。さまざまなディテールを積み重ねて勝利は生まれる。大げさにいえばボールにほぼ触らずとも、ずっと質の良い走りを続ける選手の存在が誰かを生かし、チームを動かすこともサッカーでは起こりうる。

選手個々の能力で劣るレスターにタイトルをもたらしたのも自己犠牲をいとわないハードワークだった。そんなチームの原点を僕はピッチで表現したい。ただ点を取るだけのストライカーが理想ではないからだ。

今季は6得点を挙げ、ビッグ6を相手にしても戦える自信がある。それでも満足感や達成感とは無縁だ。プロになって10年あまりが過ぎたけれど、「今が一番」と感じたことはない。いい結果が続いても危機感はいつも抱いている。できる仕事はあるけれどゴールを決めるという最後のピースがなかなか埋まらない。常に宿題が残っているような心境なのだ。

(レスター所属 岡崎慎司)

満身創意(岡崎慎司)をMyニュースでまとめ読み
フォローする

保存
共有
印刷
その他

サッカーコラム

電子版トップスポーツトップ

満身創意(岡崎慎司) 一覧

フォローする
長谷部(右)について「自身の名声や実績に酔うことがない人だ」=共同共同

 先日、長谷部誠さん(アイントラハト・フランクフルト)と、家族ぐるみで食事をした。長らく代表のチームメートとして活動してきたが、2人でじっくり話し込むのは初めてのことだった。 …続き (11/28)

10月22日のアーセナル戦に出場した岡崎(右)=ロイターロイター

 プロ選手になってから、数多くの監督の下でプレーしてきた。良い監督の条件とは当然、自分を試合に起用してくれる人だろう。しかし、たとえ使ってくれても「お前はそれをやっていればいい」という感じで選手の可能 …続き (10/31)

9月25日、イングランド・リーグカップで相手選手と競り合う岡崎(左)=ロイターロイター

 9月16日のチェルシー戦で僕は今季初得点を決めた。といっても、それはU―23(23歳以下)のチームが戦う「プレミアリーグ2」、いわゆるリザーブリーグでのこと。
 前日のトップチームの試合でベンチ外だっ …続き (10/3)

ハイライト・スポーツ

[PR]