豪乳業最大手、カナダ同業による買収を株主が承認
【シドニー=松本史】豪乳業最大手、マレー・ゴールバンはカナダ同業のサプートによる買収を株主が承認したと明らかにした。買収総額は13億1千万豪ドル(約1070億円)。今後、豪外国投資審査委員会(FIRB)の審査を受ける。マレーは乳価引き下げによる生産者の搾乳意欲の低下などで業績が低迷、2017年6月期の最終損益は3億7千万ドルの赤字になっていた。
マレー・ゴールバンによると、5日に開かれた臨時株主総会で98%の株主がサプートによる買収を承認した。マレー・ゴールバンの株主は牛乳を提供する酪農家ら。「デボンデール」ブランドが国内で広く親しまれているほか、商社を通じ日本にもチーズを輸出している。需要国である中国の景気減速などを受け、16年から生産者に支払う乳価を5~10%引き下げ、酪農家の生産意欲減退につながっていた。
経営難となった同社の買収を巡っては、中国の内蒙古伊利実業集団やキリンホールディングス子会社、豪ライオンの名も取り沙汰された。サプートは13年、豪乳業4位だったワーナンブール・チーズ・アンド・バターも買収している。
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