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選手起用で自縄自縛 故障・代役…「正解」紡げず
ハリル解任 激震日本サッカー(下)

2018/4/10 19:55
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サッカー日本代表監督の職を解かれたハリルホジッチ氏に同情すべき点はある。一言でいえば「選手運」の無さ。

例えば、相手ボールの強奪からの急襲を身上とする前監督にとって、ワールドカップ(W杯)アジア最終予選で台頭した浅野(シュツットガルト)、井手口(クルトゥラル・レオネサ)は「申し子」といえた。が、彼らは移籍先で出番を失い、今年は翼下に加えることが難しくなった。

3月、マリ戦でリードされさえない表情のハリルホジッチ監督=共同

3月、マリ戦でリードされさえない表情のハリルホジッチ監督=共同

内外を問わず、故障者の多さに「鍛錬不足」と嘆くことも多かった。清武(C大阪)、大島(川崎)のように肝心なときにケガで呼べない選手がいた。3月の欧州遠征のマリ戦で、期待をかけた大島が負傷で34分に退かなければ、前監督の運命は今と違ったものになっていたかもしれない。

チームの基盤を海外組に依存しながら、彼らは移籍希望を口にしただけで干されるような過酷な環境を生きている。監督が「所属先で出場機会に乏しい選手は使わない」という原則論を振りかざせば(いささかトウの立ったベテランを外す口実としてはよかったが)、選択肢は狭まり、自縄自縛に陥るだけだった。

海外組の代役をJリーガーに求めても実力の内外格差は依然存在する。試合ごとに繰り返されるオーディションの成果はなかなか上がらない。取っかえ引っかえ試される選手の側も自分が何を求められ、どうアクトするのが正解なのか、よく分からないままプレーしていたのではないか。そうやって蓄積された疲弊、不協和音が今回の解任劇につながったように思われる。

W杯に出るような国の中で過去の日本代表監督は比較的"長命"だった。W杯ブラジル大会後はこの4年間で3回目の監督交代になる。短命が一概に悪いとはいえないが、代表監督を支えるとされる技術委員会の職責については、これを機に議論が尽くされてほしい。

技術委員会は代表強化や選手育成、指導者養成をつかさどる要の組織。技術委員長はサッカーの本質を追究しながら強化の大綱を立てる長である。この職は、2年ごとの日本サッカー協会会長選挙の結果や代表の目先の成績に従って人を代えるようなものではない。

9日の記者会見で日本サッカー協会の田嶋幸三会長は「今こそこれまでサッカー界が蓄積してきた英知を結集し(新監督を)サポートしていくべきだと考えている。団結していくチャンスに変えたい」と語った。監督選びの「クライテリア(判断基準)を変えていく」とも。専ら外国人監督とそのスタッフに日本代表の強化を託してきた過去との決別にも聞こえた。

それは、一時的な緊急避難のハンドル操作なのか。それとも継続的な流れになるのか。すべては6月のロシアのW杯の結果次第なのだろう。

(武智幸徳)

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