2018年4月24日(火)

対LINEようやく結集 携帯3社「メッセージ」統一

ネット・IT
2018/4/10 23:00
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 携帯大手3社が「対LINE」で連携する。NTTドコモKDDI(au)、ソフトバンクは10日、3社共通の新たなメッセージサービスを始めると発表した。従来バラバラだった仕様を統一し、利用者が写真や動画などを共有できるようにする。内輪で競争する間に台頭した新興企業に対抗する狙いだが、「遅すぎる」との声も広がる。

他社の携帯電話ともスタンプや写真などをやり取りできる

異例となったNTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの担当者が並んでの新サービス発表(10日、東京・港)

 5月9日から始める「+メッセージ」は主に30代以上のビジネス需要を狙う。従来のショートメッセージサービス(SMS)の進化版という位置づけで、携帯電話番号が分かればスマートフォン(スマホ)経由で3社の利用者の誰にでもメッセージを送信できる。

 1回で送信できる文字数を大幅に増やしたほか、写真や動画などの共有やグループで会話できる機能を追加。パケット通信料はかかるが、SMSのように1通当たり3円といった利用料が発生しない。一定の通信量まで月額定額で契約をしているユーザーは費用を気にせずに利用できる。

 10日の記者会見では誰もはっきりとは言わなかったものの、狙いが「LINE対抗」にあることは明らかだ。見た目も機能もLINEにそっくりな画面がそれを物語る。

 携帯大手によるSMS導入は1990年代後半にさかのぼる。ライバルと差別化しようと機能を次々に加えた結果、異なる携帯電話会社の利用者とやり取りがしにくくなり利便性が低下した。

 その間隙を突いたのがLINEなどの対話アプリだ。LINEの国内での月間アクティブユーザー数は約7300万人にのぼり、NTTドコモの契約者数に迫る。

 LINEは決済や広告、コンテンツ販売などにも参入。2017年12月期の売上収益は前年比18%増の1671億円となり、3年で約2倍になった。NTTドコモの藤間良樹担当部長は「我々の需要の一部が、LINEなどの対話アプリに流れたことは否めない」と話す。

 対話アプリが携帯電話会社からSMSの需要を奪う動きは世界共通だ。世界の携帯電話事業者の業界団体が16年にSMSに代わるメッセージサービスの標準仕様を策定。ドコモなど3社はこれを取り入れ、今後は格安スマホ事業者でも同様のサービスを使えるようにしていく考えだ。

 LINEは新サービスについて「コメントする立場にはない」とし、現時点では競争相手とみなしていないもよう。若年層の間では電話番号よりもLINEアカウントの方が重要になっており、3社の動きは遅きに失したとの声が支配的だ。

 活路を見いだすのがビジネス需要だ。ビジネスの場では私用にも使うLINEアカウントの交換ははばかられる。名刺などに記載されている電話番号を起点にする考えだ。アフターサービスや各種手続きなど企業による活用も想定する。新サービスが生き残れるかどうかは、ビジネス需要を開拓できるかにかかっている。(堀越功)

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