2018年9月26日(水)

ブロックチェーンはフェイスブック問題を防げるか

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コラム(テクノロジー)
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2018/4/16 2:00
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 Sovrin(ソブリン)や米uPort(ユーポート)、米Blockstack(ブロックスタック)など多くの企業が採用している。

 ソブリンは公益事業として分散型IDネットワークを管理するNPOだ。親会社の米Evernym(エバーニム)はソブリンの他に、信用組合など法人向け解決策の開発に取り組んでいる。同社の資金調達額は700万ドルに上る。

イーサリアム上に構築したモバイルウォレットを提供する米uPort(ユーポート)のサイト

イーサリアム上に構築したモバイルウォレットを提供する米uPort(ユーポート)のサイト

 ユーポートはパブリック型ブロックチェーン基盤「イーサリアム」上に構築されたモバイルウォレットを提供する。利用者はこのウォレットを使い、自分のIDやトークン(デジタル権利証)のアクセス権を管理できる。ユーポートは現在、スイスのツーク市と提携し、イーサリアム上でIDを登録している。

 ブロックスタックはIDを土台にインターネットのプライバシーを見直そうとしている。利用者は自分のIDを管理し、アクセス権を個別に発行したり、無効にしたりできるようになる。同社は仮想通貨技術を使った資金調達(ICO=イニシャル・コイン・オファリング)とベンチャーキャピタル(VC)からの出資で5700万ドルを調達している。

2.ID認証

 もう一つが「ID認証」だ。これは利用者が管理するIDとは異なり、身分証明書を確認した上で、その情報をブロックチェーン上の適切な所有者にひも付けすることを指す。これは従来の本人確認に代わる分散型データベースになる。

 この解決策に取り組んでいるのは、カナダのSecureKey(セキュアキー)や米CIVIC Technologies(シビック・テクノロジーズ)、国際的なデジタル認証プログラム「ID2020」だ。

 セキュアキーは銀行の本人確認に使われるシステム「Verified.me」を提供し、米IBMと共同でカナダの銀行向けにデジタルIDネットワークの構築に取り組む。ブロックチェーンを使った解決策以外のサービスも手掛けている。調達額は7300万ドル。

 シビックもこの分野の注目株だ。利用者はブロックチェーンを通じて認証済みのIDデータを共有・管理し、ユーザーネームやパスワードを使わずに多要素認証を提供できる。同社は新株発行やICOで3600万ドルを調達している。

 ID2020はブロックチェーン上に発展途上国の市民のIDを登録するプラットフォームの開発を手掛ける。予防接種プログラムなどの既存システムと抱き合わせて利用者を登録するために、米マイクロソフトやアクセンチュアなどと連携している。

■ブロックチェーンを使ったIDの現時点での課題

 ただ、ブロックチェーンを使うIDには2つの課題がある。

 第1に多くの政府や企業がこれを望んでいない点だ。ブロックチェーンを使えばID管理は政府や企業の手から離れ、力のバランスが利用者に傾く可能性があるからだ。

 第2に、中央集権型のプラットフォームの方がなおブロックチェーン技術を使うプラットフォームよりも優れており、利用者はそれほどプライバシーを気にしているわけではない点だ。

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