2018年9月25日(火)

ブロックチェーンはフェイスブック問題を防げるか

CBインサイツ
スタートアップ
コラム(テクノロジー)
(1/3ページ)
2018/4/16 2:00
保存
共有
印刷
その他

CBINSIGHTS

 「プラットフォーマー」と呼ばれる巨大IT(情報技術)企業による、個人データの独占が問題視されている。米フェイスブックは個人情報が米大統領選に悪用された恐れがあると指摘され、マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)が米公聴会で謝罪した。利用者の知らない間に拡散するデジタルID情報。歯止めをかける技術として期待されるのが分散台帳「ブロックチェーン」だ。

 IT大手の「デジタルIDブローカー」としての役割が批判を浴びている。

4月11日、米下院公聴会に臨んだフェイスブックのザッカーバーグCEO=AP

4月11日、米下院公聴会に臨んだフェイスブックのザッカーバーグCEO=AP

 利用者はプライバシーを気にするが、フェイスブックや米グーグルなどは利益を上げ、株主を満足させることを重視する。各社は広告主の代わりに利用者のデータを収集、販売、分析することで収益を上げている。2017年のフェイスブックの広告収入は約400億ドル。世界のオンライン広告市場の2割弱を占め、今後はさらに増える見通しだ。

 こうした企業が集めた個人情報は常に悪用されるリスクにさらされている。つい最近も英コンサルティング会社ケンブリッジ・アナリティカとフェイスブックの不祥事でリスクが浮き彫りになったばかりだ。

 一方、1つの認証情報でウェブのどこにでもログインできる「連携型ID」は注目されつつある。フェイスブック、グーグル、米ツイッターはすでに既存のデジタルIDを使って簡単にログインできる「ソーシャル・サインイン」を提供している。利用者の利便性は高まるが、IDブローカーの役割を担うIT大手にさらに権限が集中し、データを独占される事態に陥る。

■ブロックチェーンで利用者が支配権を取り戻すには

日本経済新聞社は、スタートアップ企業やそれに投資するベンチャーキャピタルなどの動向を調査・分析する米CBインサイツ(ニューヨーク)と業務提携しました。同社の発行するスタートアップ企業やテクノロジーに関するリポートを日本語に翻訳し、日経電子版に週1回掲載します。

 利用者は自分のデジタルIDを持ち、プライバシーを保ち、特定の企業や個人だけに個人データのアクセス、保存、分析、共有を認めるようにしたいと望んでいる。一方で、企業側はデータを囲い込んで収益を上げ、利用者のプライバシーについての規制も守らなくてはならない。

 ブロックチェーンは共有のデジタル履歴を全ての参加者に承認してもらえる分散型データベースの一種だ。これがID情報のデータベースになれば、権限や管理は企業側から利用者側に移るかもしれない。

 ブロックチェーン技術のIDへの応用には、2つの流れがある。

1.利用者が管理するID

 一つ目が、利用者が管理するIDだ。これはソーシャルメディアのアカウントに似ている。IDを作成するのに免許証や出生証明書といった身分証明書は必要ない。アカウントをインターネット全般で使え、利用者は自分の情報へのアクセス権を個別に与えたり、取り消したりできる。

  • 1
  • 2
  • 3
  • 次へ

秋割実施中!日経Wプランが12月末までお得!

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報