2019年2月16日(土)

米財政赤字、20年に1兆ドル突破 議会試算、政権とズレ

2018/4/10 6:15
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【ワシントン=河浪武史】米連邦議会の中立機関である米議会予算局(CBO)は9日、2020会計年度(19年10月~20年9月)に財政赤字が1兆ドル(約106兆円)を突破する試算を公表した。大型減税と歳出拡大で、予測が大きく悪化した。トランプ政権は21年度以降に財政赤字が縮小すると主張するが、CBOは28年度には1.5兆ドルまで悪化すると見込んでおり、両者のズレが鮮明だ。

トランプ政権と米議会は17年末に10年間で1.5兆ドルという大型減税を決め、さらに2年で歳出を3000億ドル増やす予算関連法も成立させた。CBOは年2~3回、財政見通しを改定しており、今回は減税成立後で最初の試算となった。

財政赤字の見通しは17年度の6650億ドルから18年度には8040億ドル、19年度も9810億ドルと段階的に悪化する。20年度には8年ぶりに赤字幅が1兆ドルを突破する見込みだ。昨年6月時点の試算では、20年度時点の赤字幅は7750億ドルにとどまるとしていた。

トランプ大統領が2月に提出した予算教書でも、20年度に9870億ドルまで財政赤字が拡大するとしたが、21年度以降は改善して28年度の赤字幅は3630億ドルに縮小すると主張していた。CBOと政権の財政見通しは28年度時点で1兆ドル強も開きがあり、両者の見解のズレが鮮明だ。

トランプ政権は減税で企業投資を後押しして経済成長率を3%に高め、税収を確保するとしてきた。CBOは18年10~12月期に3.3%まで成長率が高まると予測したものの、20年以降は潜在成長率並みの2%弱にとどまるとした。両者の財政見通しのズレは、トランプ政権が減税効果を長期とみる一方で、CBOは短期にとどまると予測していることが要因だ。

米連邦政府の財政悪化は金融資本市場の重荷となる。連邦政府債務(民間保有分)は17年度の14兆6650億ドルから20年度には20兆ドルを突破。28年度には28兆ドルを超え、国内総生産(GDP)比96%まで膨らむと試算した。先行きは米国債の消化が難しくなって長期金利が上昇するリスクがあり、ドル安など世界市場の波乱要素になる。

米上下両院は11月に中間選挙を控えており、財政問題が焦点に浮上しそうだ。共和党内には社会保障給付などをカットしつつ、個人減税を恒久化する税制改革第2弾の構想がある。民主党は追加減税を富裕層優遇と批判しており、与野党の主張の違いが鮮明だ。

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