財務省「禁じ手」連発なぜ 口裏合わせ、改ざん…
学校法人森友学園の国有地売却問題を巡り、財務省は9日の参議院決算委員会で学園側への口裏合わせの依頼を認めた。「あまりにも不適切」「理解できない」。決裁文書の改ざんに続く悪質な隠蔽工作に与野党議員から厳しい批判が上がる一方で、他省庁の官僚からは「なぜそこまでやらないといけなかったのか、問題の根は深い」との声も聞かれた。

9日の参院決算委では与党議員からも財務省への批判が相次いだ。公明党の若松謙維議員は「国会を欺く、断じて許せない問題が次から次へと起き、行政への信頼は地に落ちた」と指摘。自民党の西田昌司議員が「(ごみの撤去が適切だったと)印象操作する答弁自体ありえないんだよ」と声を張り上げると、財務省の太田充理財局長は「ご指摘の通り」と平謝りするばかりだった。
7時間を超える審議の後、委員会室を後にした野党議員は財務省の「国会軽視体質」を口々に非難した。共産党の吉良よし子議員は「今回明らかになった口裏合わせも責任の所在は曖昧だ。これで幕引きにはならない。麻生太郎財務相は何も知らなかったでは済まされない」と指摘した。
民進党の古賀之士議員は「いつも報道をきっかけにして国会で問題になる。財務省は自ら事実を明らかにする姿勢が足りないのではないか」と批判。「国民の関心は高い。途中経過もなるべく早く発表していくべきだ」と語った。
自民党のある議員は「これは財務省の体質の問題だろう。国会正常化のためにしっかりとウミを出し切ってもらいたい」と話す一方で、「問題の経緯をみれば官邸が関係ないのは明らかだ」とも強調した。
9日の決算委では存在しないとした自衛隊イラク派遣部隊の日報が見つかった問題への質問も集中した。
「新たに1件報告する」。小野寺五典防衛相が午後の審議で突然こう切り出した。南スーダン国連平和維持活動(PKO)の日報が防衛省情報本部で新たに見つかったとし、険しい表情で謝罪を繰り返した。
しかし、質問した与野党の議員からは「おそらくまだ出てくるでしょう」「その説明そのものが本当なのか」と冷ややかな声が漏れた。