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W杯直前、窮余の策 決断後回しのツケ これから
ハリル解任 激震日本サッカー(上)

2018/4/9 20:15
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代表監督が解任の憂き目にあうこと自体は珍しいことではない。驚くのは、結果の求められるW杯まであと2カ月に迫ったこのタイミングだ。それでも代えた方がまし、という窮余の策を協会は打った。

ウクライナ戦で指示を出すハリルホジッチ監督(右)

ウクライナ戦で指示を出すハリルホジッチ監督(右)

内容も結果も前向きなものに乏しかった先月の欧州遠征が最後の審判になったという。戦い方への戸惑いや疑問が半ば公然と選手から漏れ、チームの一体感のぐらつきがあらわになったのがあの遠征だった。「(勝つためにいろいろなものが)不足している状況が一線を越えた」と田嶋会長は決断の理由を語る。戦術やスタイルの是非よりも、チームの前提となる信頼関係が壊れたのが主因だと。

ハリルホジッチ監督のやり方は就任当初から一貫していた。見切りをつけるならその節目は過去にもあった。2016年のW杯アジア最終予選序盤。E-1選手権で韓国に4失点で苦杯をなめた昨年冬。ブラジルなど強豪国と対戦した昨秋の欧州遠征直後や、2017年にW杯出場を決めた直後も、タイミングの一つだったはずだ。

W杯予選突破の後は、監督が望む選手を思うように招集できず、その不成績には情状酌量の余地が常につきまとっていた。だが決断を後回しにしたツケはこれから払うことになる。監督交代だけで勝利がつかめるほど甘くはないと協会も承知している。それでも「代えずに負けるのをむざむざ見ているわけにはいかない」と田嶋会長。それだけ追い込まれているのだ。

現状ではW杯で勝つことなど夢物語、と認めたようでもある。乗る船の危うさを、乗員も外部の者もうっすらと感じつつ、航海は続いていた。気がつけば日本代表という船は沈む寸前になっていた。大会直前になって、会長の勇断によってそんな現実にやっと向き合えたということかもしれない。

監督人事に深く関わる技術委員会の長が、監督席へ横滑りする。クラブや球団でいえばフロントの責任者が一線を越えて現場の責任者になるわけで、代表ではあまり例のない事態。

かつて一国の代表を指揮したことのあるW杯経験者、実績ある外国人……。過去に考慮された基準は吹き飛んだ。監督職を離れて久しい西野氏は、平時であれば選考の俎上(そじょう)に上がっていたかどうか。その人に託すしかないほど日本は瀬戸際だということだろう。

(岸名章友)

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