2019年5月20日(月)

五輪にらみ埼玉スタジアムの交通改善 シャトルバス優先など

2018/4/9 17:47
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最寄り駅から遠く、サッカーの試合開催日はマイカー利用者による渋滞などが問題になっている埼玉スタジアム(さいたま市)の交通環境改善に向けた取り組みが始まる。シャトルバス優先走行の社会実験や歩行者経路の改善などを進め、自家用車から公共交通への転換を進めるのが柱だ。同スタジアムは東京五輪のサッカー会場になっており、2020年を当面の目標にする。

スタジアムは最寄りの埼玉高速鉄道(SR)浦和美園駅から徒歩で約20分かかり、マイカーでの来場者も多い。このため浦和レッズや日本代表の試合日にスタジアム周辺は渋滞が発生。歩行者の経路も混雑し、住民の生活にも不便が生じている。

スタジアムのある浦和美園地区の街づくりを産学官連携で進める「みその都市デザイン協議会」が中心になり対策に取り組む。埼玉県と市、浦和レッズ、SRなどで構成する分科会で混雑対策の検討を重ね、「美園スタジアムタウン スタジアムアクセス戦略」を策定した。

17年5~8月に、4万人を集客するJリーグの試合と6万人集客の国際試合開催日の交通手段ごとの交通量などを調査し、目標を設定した。例えば、Jリーグの試合では、浦和美園駅を利用する来場者は40.6%の1万6200人、バスは16.5%の6600人だった。一方、マイカー利用者も33.9%の1万3600人いた。当面はSR50%、バス20%、マイカー20%にすることを目指す。

取り組みの一つが、シャトルバスの優先走行だ。スタジアムと国道463号バイパスの間の一部でマイカーの交通を規制し、バスの所要時間を短縮する社会実験を9月の2試合で行う。スタジアムと駅を結ぶシャトルバスの所要時間は最大で北越谷駅65分、東浦和駅70分、浦和駅100分となっており、これを20分程度短縮し利用を促す。

関係者駐車場になっているスペースに一般車両も受け入れ、試合終了後90分間は出庫を制限するかわりに料金を割り引く実験も7~8月に行う。また試合開催時に近隣で暫定駐車場を経営する土地所有者とも協議し、スタジアム隣接地の駐車台数500台を徐々に減らすなど、渋滞緩和策を進める。

試合開催日の円滑な交通をどう確保するかが課題だ(後方が埼玉スタジアム)

試合開催日の円滑な交通をどう確保するかが課題だ(後方が埼玉スタジアム)

SRと浦和レッズは先行して、平日の試合開催日に運賃を50%割引する企画乗車券を発売するなど鉄道利用を促している。こうした動きに対応し、駅からの徒歩ルートも改善する。浦和美園駅からスタジアムまでは、SR車両基地沿いの歩行者専用道路を使って約20分かかる。途中、交通量の多い道路の横断がネックになっており長い行列が発生する。円滑で安全な通行ができるよう、信号や立体横断施設の整備を検討する。

また現在は禁止している試合後のキッチンカーの出店や、周辺店舗の販促活動を促進。地域に滞留してもらうことで地域のにぎわいを創出し、駅の混雑も分散させる。

同協議会の事務局を務める美園タウンマネジメントの岡本祐輝専務理事は「課題は多いが、サッカー会場となる東京五輪までを短期目標とし、観客と住民が少しでも快適に通行できる環境を整えたい」と話している。

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