台湾の潜水艦建造、米が企業に協力許可 中国反発も
【台北=伊原健作】台湾主要紙「自由時報」などは8日付で、台湾の蔡英文政権が進める潜水艦の自主建造計画について、米政府が米企業に台湾側との商談を認めたと報じた。蔡政権は潜水艦を対中防衛の切り札と位置づける。建造実現につながる重要な技術導入が進むかはなお不透明との見方もあるが、中国が反発する可能性がある。
台湾の総統府は防衛力向上につながるとして、米側に謝意を示している。現有の4隻は老朽化が進むが、中国の存在が壁となり海外からの新規購入は厳しく、蔡政権は自主建造に切り替えた。ただ武器システムなどは海外からの技術導入が必要とされる。米が敏感な軍事技術の移転に踏み込むかが焦点となる。
米では3月に台湾とのあらゆるレベルの高官の往来を促進する「台湾旅行法」が成立。台湾を中国との交渉の「カード」として使う動きが目立ち、中国は神経をとがらせている。