2019年5月20日(月)

宮崎大がオリジナル焼酎 学生ら原料イモ栽培
魅力を発信、寄付への返礼品に

2018/4/6 21:30
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「宮崎大学ならではの研究開発プロジェクト」(池ノ上克学長)として始まったオリジナル焼酎が完成した。学生らによるサツマイモの栽培に始まり、醸造では渡辺酒造場(宮崎市)の手を借り、ボトルなどのデザインは教職員らが担当。本格焼酎の出荷量日本一の宮崎県の大学としての魅力を発信していく。

この芋焼酎は「薫陶」。アルコール度数は37%で、割水をしていない原酒の状態。ボトル(720ミリリットル)は茶系色で陶器のような質感をもたせ、高級感を出した。販売はせずに、大学への寄付に対する返礼品や贈答品などとして活用する。

宮崎大学が醸造した本格焼酎「薫陶」

宮崎大学が醸造した本格焼酎「薫陶」

プロジェクトが具体的に動き出したのは2016年12月。渡辺酒造場との意見交換、相談などを経て、1000リットルの原酒によって720ミリリットル入り瓶で1600本生産することを決定した。

醸造を担当した渡辺酒造場のこだわりは「風土で醸す」(渡辺幸一朗社長)こと。宮崎県産の原材料を使い、自然界の酵母(蔵付き酵母)で、その土地の気候をうまく使って発酵させることだ。

宮崎大で原料として生産したイモも微生物が付着している土をあえて残したまま発酵させたという。ただ、でんぷん含有量がやや少なかったため、アルコール度数が通常、原酒で39%のところ37%台と低くなったが、その分「より軟らかく、味わい深い焼酎になった。甘みもすばらしく、香りも高い」(渡辺社長)という。

ボトル、ラベル、箱のデザインなどは地域資源創成学部が担当。名称の「薫陶」は「香をたいて薫りを染み込ませ、土をこねて形を整えながら陶器を作り上げる」との意味から、人徳・品位などで人を感化し、良い方に導き教育する大学の姿を現した。

九州では鹿児島大学や九州大学、佐賀大学などで、焼酎や日本酒造りが進んでいる。宮崎大学でも01年から酵母菌など焼酎に関する研究を進めていたが、実際に焼酎を造るのは今回が初めてとなる。

3年連続で本格焼酎の出荷量が全国トップの宮崎県の大学としては出遅れ感もあるが、20年近くに及ぶ研究を経た自信作でもある。焼酎の新たな魅力、可能性の追究をリードし続けていくことが期待される。

宮崎大学が焼酎づくりに取り組んだ背景には、取り巻く厳しい環境がある。宮崎大学の国からの運営費交付金はここ数年、95億円弱のほぼ横ばいで推移している。一方、募集人員は1035人と変わらず、2018年度の入学志願者数はは4882人、倍率4.8倍だった。ここ5年間では15年度の5738人、5.5倍が最も多く、年々減少傾向にある。

このため今回の取り組みを含めて広く宮崎大学をPRすることで、志願者数の拡大に弾みをつけたい考えだ。昨年9月に宮崎銀行と宮崎大生を対象にしたビジネスプランコンテストを開くなど、地元企業との連携を強めている。(宮崎支局長 鈴木豊之)

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