2018年4月24日(火)

コインチェック、460億円補償完了 危うさ抱える高収益

金融機関
2018/4/6 20:30 (2018/4/6 23:37更新)
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 「補償は全て顧客のアカウントに反映済み」。コインチェックの大塚雄介取締役は、外部流出した仮想通貨NEM(ネム)に対する顧客への返金を完了したことを6日の会見で明らかにした。580億円の流出額に対し、補償額はその後の相場下落で約460億円に圧縮されたが、それでも多くが「返済は到底不可能」とみていた。創業6年に満たない同社が返せた裏には仮想通貨交換事業者に特有の事業モデルがあり、それこそがマネックスグループが参入する動機だ。

記者会見するマネックスグループの松本大社長(左)とコインチェックの和田晃一良社長(6日午後、東京都港区)

 仮想通貨交換は証券取引所などとは異なり、購入や売却を希望する顧客の注文に一定の利ざやを上乗せし、自らの収益源とする。この利ざやは、最大10%ともされ、1%未満の外国為替証拠金(FX)や株式と比べはるかに分厚い。

 マネックスの発表資料に記されたコインチェックの17年3月期業績。実質的な売上高9億8000万円に対して、営業利益は7億1900万円。営業利益率は実に73%に達する。空前のブームだった18年3月期の利益は1000億円程度まで膨らんだとみられる。

 このビジネスの現状と将来をどうみるか。代表的な仮想通貨ビットコインの価格は昨年のピークから3分の1の水準に下落している。値上がり時には目立たなかった手数料にも厳しい目が向く。新規参入による競争も加わり、「今の利益率は続かない」(大手証券首脳)との声が多い。

 それが36億円という買収価格にも反映されている。マネックスにとって最大のリスクは買収後に金融庁から登録許可されず、廃業することなので、価格は低く抑えたい。一方、廃業しなければ今ほどではないにしても収益を生み続けるため、既存株主側は反発した。そこで「今後3事業年度の利益の2分の1を上限に現在の株主に支払う可能性がある」という条件を付け、折り合った。

 「2カ月程度で事業を全面再開し、いずれ新規株式公開(IPO)を目指す」。マネックスの松本大社長の見立ての行方はまだ見えない。

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