今年の新入社員は何型?(大機小機)
毎年、この時期になると話題になるのが「今年の新入社員はどんなタイプ」という調査だ。
シンクタンクの産労総合研究所は、今年度の新入社員を「SNS(交流サイト)を駆使するチームパシュート型」と命名した。
平昌冬季五輪で日本女子が金メダルを獲得したスピードスケートのパシュート(追い抜き)競技のように、少数の仲間同士でSNSを使って協力し、スピーディーに内定というゴールを目指したという意味だ。
新入社員や企業の人事担当者へのアンケートから導いた命名だというが、会社側からは「要領はいいが、会社に見切りをつける逃げ足も速いのではないか」とみられているのかもしれない。
エン・ジャパンの調べでは今年の新入社員には「慎重に空気を読み、出る杭(くい)になりたがらない」「安定したキャリアを望み、私生活を重んじる」などの特徴があるという。
人手不足が深刻になるなかで、ここ数年の就職戦線は売り手市場だ。就職氷河期といわれた時代に苦労した先輩からみると、今年の新入社員は「苦労知らず」と映るかもしれない。
ちなみに就職氷河期だった1999年の新入社員は、厳しい指導にも耐え丸洗いOKの「形態安定シャツ型」(当時は現代コミュニケーション・センターの調査)と呼ばれていた。
一方で会社には、その前の売り手市場の時に入ったバブル入社組もいる。
バブル末期の91年の新入社員は「お仕立券付きワイシャツ型」と命名された。価格が高くて仕立てに時間がかかるという意味で「形態安定シャツ」とは大違いだ。
今年の新入社員はゆとり教育を受けた「ゆとり世代」、あるいは高望みや浪費をしない「さとり世代」に属するとされる。
昨年のサラリーマン川柳(第一生命保険まとめ)では、「ゆとりでしょ? そう言うあなたは バブルでしょ?」という先輩と後輩社員の言い合いを扱った作品が第1位になった。
今、多くの会社は「バブル世代」「氷河期世代」「ゆとり(さとり)世代」の3世代を抱えている。社内の多様な世代がパシュートのように協力して力を発揮できるのが、本当に強い会社なのかもしれない。(琴線)
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