2019年3月24日(日)

マレーシア下院解散へ ナジブ首相対マハティール元首相

2018/4/6 13:25
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【シンガポール=中野貴司】マレーシアのナジブ首相は6日、連邦議会下院(定数222、任期5年)を7日に解散すると発表した。60日以内に総選挙が開かれる。1957年の独立以来、政権を独占してきた与党連合の国民戦線に、マハティール元首相が率いる野党連合の希望連盟がどの程度、迫れるかが焦点となる。

下院の任期は6月24日までで、ナジブ首相は任期満了の直前に解散を決めた。総選挙の日程は近く開く選挙委員会が決めるが、4月下旬から5月上旬にかけての投開票が有力視されている。

与党連合は17年に5.9%に達した高い経済成長率など安定した経済運営の成果を訴え、独立以来守る政権の維持をめざす。一方、野党連合は国営投資会社「1MDB」をめぐる資金の不正流用疑惑などナジブ政権の汚職体質を批判。消費税の廃止なども訴え、国民の不満を吸い上げたい考えだ。

ナジブ政権は3月下旬以降、与党に有利とされる選挙区の区割り変更や、虚偽の情報を発信した個人や企業幹部に罰則を科す「反フェイク(偽)ニュース法」を相次ぎ成立させた。マレーシア当局は5日、マハティール元首相が率いる野党、マレーシア統一プリブミ党の活動を30日間停止するよう命じた。こうした強権的な政権運営の是非も争点になる。

13年5月実施の前回の選挙では、野党連合(当時は人民連盟)の得票率が与党を初めて上回った。ただ、ボルネオ島など地方に議席が厚めに配分された選挙制度のため、獲得議席数では与党連合が野党連合を大きく上回った。

今回、野党連合は03年まで22年間にわたって首相を務めた92歳のマハティール氏を首相候補として擁立。マハティール氏はかつて自らが追い落としたアンワル元副首相とも手を結び、政権獲得に執念をみせる。

ただ、有力なイスラム主義政党、全マレーシア・イスラム党(PAS)が野党連合から離脱するなど、野党側の足並みはそろっていない。PASは多くの選挙区で独自の候補者を出す見通しで、政権批判の票が割れれば、与党連合優位の展開となる。

一方で、マレー系国民を優遇する「ブミプトラ(土地の子)」政策への不満は、人口の約25%を占める華人系住民を中心に根強い。与党寄りの論調が多い既存メディアが浸透していない若者層の動向次第では、政権交代への機運が高まる可能性もある。

09年に首相に就任したナジブ氏は今回の選挙で大勝し、引き続き首相の座にとどまることを狙う。ナジブ氏の与党内での基盤は安定しているが、獲得議席の数次第では与党内で責任を問う声が高まりそうだ。

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