2019年5月21日(火)

ニセ国際免許でレンタカー 中国人客、ネット購入か

2018/4/5 18:39
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日本で自動車を運転することが法律上認められていない中国人観光客が、偽造とみられる国際免許証を使ってレンタカーを借りる事例が相次いでいる。違法業者が日本で有効なフィリピンの国際免許証などを偽造し、中国語サイトなどで販売しているという。警察庁は実態把握に乗り出した。

2月上旬、上海から来日した家族連れの男性が那覇空港近くのレンタカー営業所を訪れた。車を借りようと提示したのは中国のパスポートと、フィリピン当局が発行した真新しい国際免許証。だが、店員がパスポートを確かめると男性にはこの数年間、フィリピンへの渡航歴がなかった。

「正当な国際免許証ではない可能性がある」。店員はそう判断し、貸し出しを断った。レンタカー会社「ルフト・トラベルレンタカー」(沖縄県豊見城市)の現場責任者は「週に2~3件は同様のケースがある」と打ち明ける。

警察庁によると、外国人が日本で運転する場合「日本の免許証」「日本と同水準の免許制度がある国や地域の免許証」「ジュネーブ条約に基づく国際免許証」のどれか一つが必要だ。同条約は道路交通に関する国際的な取り決め。日本と同水準の制度があるのは7カ国・地域に限られる。

中国は同条約に加盟しておらず、同水準の免許制度もない。中国からの観光客は通常、日本国内での運転が認められない。

だが、沖縄県の聞き取り調査では、中国から来た観光客の11%が「レンタカーを使った」と回答。中国人観光客が多い北海道でも16%がレンタカーを利用していた。

そうしたケースでは偽造した国際免許証が使われている可能性がある。上海から東京観光に来た中国人男性(35)は「日本の旅行情報をインターネットで調べていると、フィリピンの国際免許証の購入サイトのポップアップ広告が出てきた」と明かす。フィリピンはジュネーブ条約の加盟国で、同国の国際免許証は日本でも使える。

フィリピンの国際免許証の入手方法は動画でも紹介されている。男性はスマートフォンで、日本でレンタカーを借りる様子の投稿動画を見せてくれた。画面には日本の空港の到着ロビーが映し出され、投稿者は「ネットで買ったフィリピンの国際免許証でうまく(レンタカーを)借りられた」と語った。借りる手続きをする様子も詳しく映されていた。

フィリピンで国際免許証を発行している団体は外国人が取得する場合、「パスポートとフィリピンで取得した運転免許証を申請書とともに本人が窓口に提出する必要がある。販売はしていない」と説明する。ネット上で売られているのは偽造されたものである可能性が高い。

レンタカー業界の複数の関係者によると、フィリピンにいる業者に中国で使う運転免許証のコピーなどを送れば、2週間ほどでフィリピンの運転免許証と国際免許証を受け取れる。費用は4万~5万円程度という。

国際免許証は発行する国や地域によって仕様が異なるため、レンタカー会社の確認作業には手間がかかる。偽造免許証が精巧だと「真偽の判別は警察でも難しい」(札幌レンタカー協会)。

警察庁は「関係省庁やレンタカー会社などと連携して実態を把握し、偽造免許証の摘発に努めたい」としている。

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