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ペナントレース、今年はセ・リーグが面白い

ペナントレースが幕を開けた。セ・リーグ出身の私は近年になくワクワクしている。セにこれだけ話題が多いシーズンは久しぶりだ。大リーグから上原浩治(巨人)、青木宣親(ヤクルト)が復帰し、「平成の怪物」こと松坂大輔も新天地の中日で先発ローテーションの座をつかもうとしている。

巨人には12球団で最も大きい戦力の上積みがあった=共同

「人気のセ、実力のパ」といわれたのもいまや昔。1999年に松坂が西武に入ってからというもの、ダルビッシュ有(現カブス)、田中将大(現ヤンキース)、大谷翔平(現エンゼルス)ら球界を代表するスターの多くはパ・リーグから生まれた。実力だけでなく、話題性や注目度でもセは旗色が悪かった。

それが今年は様相が違う。メジャー現役バリバリの上原、青木が戻ってきてくれた。人気、実力とも申し分のない2人はファンの注目度も高い。それに、2月のキャンプから取材した印象では、どのチームも選手層が増し、レベルアップしている。劣勢が続いているセ・パ交流戦でもセはいい勝負ができるのではないかと期待している。

混戦予想、あえて本命に巨人

ペナントレースも混戦となりそうだ。その中であえて本命には巨人を挙げたい。13連敗した昨季も最後までAクラス争いをした。もともと地力があるところに、今年は12球団で最も大きい戦力の上積みがあった。上原に加え、右肩痛で昨季を棒に振った沢村拓一が復帰し、ブルペンが格段に底上げされた。阪神との開幕3連戦は2勝1敗と勝ち越したが、彼らの存在がなければ3連敗でもおかしくなかった。マシソン、カミネロを合わせた4人で勝ち試合の終盤を回せればブルペンが疲弊しない。2人分の単純な足し算ではなく、かけ算のような相乗効果になるはずだ。

他球団から研究される今年、薮田らは真価が問われる=神宮

打線も2年目の吉川尚輝や4年目の岡本和真がスタメンに名を連ねている。一筋縄ではいかないだろうが、ゲレーロが加わった主力たちが支えながら育てれば、必ずや大きな戦力になる。

2番手は3連覇を狙う広島だろう。戦力に目立った上積みはなくてもチームの完成度、安定感ではナンバーワン。ただ、先発投手陣に一抹の不安がある。昨季15勝3敗の薮田和樹、12勝5敗の岡田明丈、10勝2敗の大瀬良大地は出来すぎの感があった。研究される今年は真価が問われる。3人が昨季並みの活躍をするようなら、再びぶっちぎりになっても不思議はない。

阪神とDeNAの地力は互角とみている。いずれも優勝を狙える戦力を備えているが、DeNAの先発ローテーション3人(今永昇太、浜口遥大、ウィーランド)が出遅れた分だけ、阪神が有利になった。新外国人の4番ロサリオはそこそこ対応力がありそうだし、昨季12勝を挙げた秋山拓巳はすごみが出てきた。中継ぎの石崎剛も非常に充実している。

出遅れたDeNAの3投手は春先に投げられていたことを考えると調整ミスといわざるをえない。2~3日休むべきところで無理をして、長引かせてしまったのではないか。今永や浜口はチームの中心になっていくべき立場。特に浜口は昨シーズン中も左肩の問題で1カ月ほど戦列を離れた。強い自覚を持ってほしい。野手は大和の加入などで層が厚くなった。昨季首位打者の宮崎敏郎がキーマンになりそうだ。

中日、ヤクルトはAクラス入りが現実的な目標だろう。中日は相変わらず打線に迫力がなく、私がマウンドに立ったと仮定しても、怖さを感じない。投手陣では開幕を務めた小笠原慎之介、2年目の柳裕也ら若手に期待がかかるが、2桁勝利が複数出るかというと難しい。一方、注目の松坂はヒジの出る位置が全盛期より高く、肩が回復している様子がうかがえる。経験、技術は申し分ないから体さえもてば2桁勝つ可能性もある。

金子と西の先発2人がしっかりしているオリックスはダークホース=共同

ヤクルトはいかんせん投手が足りない。青木のほか、川端慎吾も復帰した打線の迫力はリーグでトップクラスだが、主戦の小川泰弘が開幕に間に合わず、ローテーションを任せられる名前が出てこない。いくら打つといっても、打線はやはり水物だ。

パ、追っ手の1番手は楽天

パ・リーグにも触れておくと、王者ソフトバンクが軸となるのは間違いない。走攻守、すべてにおいて群を抜いて層が厚い。主力に多少のケガ人が出てもビクともしない陣容だ。多くの選手に豊富な実戦の機会を与える3軍制の成果だろう。

追っ手の1番手は楽天とみている。昨季も夏までソフトバンクと競り合い、地力があるのは間違いない。ベテランから若手、外国人とバランスのいいチーム構成で、投手陣は先発、ブルペンとも駒がそろっている。ダークホースはオリックスだ。金子千尋、西勇輝の先発2枚がしっかりしているし、抑えには日本ハムから増井浩俊が加わった。3年目の吉田正尚、2年目の山岡泰輔と黒木優太、早速勝ち星を挙げたルーキー田嶋大樹と近年のドラフトで獲得した選手たちが着実に戦力になっている。若いチームだけに楽しみだ。

リーグ随一の打線を誇る西武は投手陣の頑張りが浮沈を左右する。日本ハムは栗山英樹監督の用兵に注目。大谷、増井の穴は大きいが野手の顔ぶれはそろい、投手陣の出来次第では上位もうかがえる。ロッテは井口資仁新監督の下、オープン戦で結果を出した。現状の駒不足は否めないが、新戦力の台頭に期待したい。

(野球評論家 山本昌)

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