スクランブル交差点数、大阪は東京の3倍(もっと関西)
とことんサーチ

2018/4/5 17:00
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自宅がある大阪市天王寺区・真田山付近を散歩していると、気づいた。信号で斜め横断が可能なスクランブル交差点が多い。空堀の交差点の近くに2カ所、近隣の味原の交差点にもう2カ所。記者は東京勤務が長いが、東京では渋谷や数寄屋橋ぐらいしかスクランブル交差点は印象にない。調べると、大阪府下のスクランブル交差点は156と全国2位、東京の3倍だった。なぜ多いのだろうか。

まずは大阪最古のスクランブル交差点、西区九条新道を訪ねた。

九条新道交差点がスクランブル化されたのは1971年12月。斜め横断を可能にする改正道路交通法の施行とほぼ同じころだ。交差点に面した創業70年の印鑑店、専勝堂の末吉一男さんは「当時は近隣の耳鼻科の先生が子供が歩道を横断するのをみて『子供が危ない』と、導入を要請していた」と振りかえる。

一方、最新は大阪府箕面市の市立彩都の丘学園前の交差点で、2017年末にスクランブル化された。交差点で点字ブロックの工事現場にいた警備員に聞いたところ「学園の生徒数増加に伴いスクランブル化の要望があった」という。

このようにスクランブル交差点の導入は、歩行者の事故対策と関係しそうだ。スクランブル交差点は歩車分離式(歩行者が横断する間はすべての車を止める信号)であるため、歩行者が車と交差するリスクが小さい。普通の交差点では、歩行者が横断中に右折車や左折車と交差するリスクが生じてしまう。

特に大阪は「河川や鉄道が入り乱れている関係で道路が直線に敷けず、道路が直角に交差しない変形交差点が多い」(交通心理学を専攻する蓮花一己・帝塚山大学学長)。変形交差点は視界の悪さから事故が起こりやすく、事故対策でスクランブル交差点が増えた可能性がある。

もっとも、事故対策だけなら歩車分離式信号でも十分で、斜め横断を可能にする必要はない。ここでスクランブル交差点のもう1つの特徴、「大量の歩行者が交差点で滞留するのをどう防ぐか」(蓮花学長)という点が関わってくる。

大阪は全国屈指の人口密集地域。駅前や子供が集まる学校近くの交差点も多く、歩行者に素早く通過してもらう必要がある。スクランブル交差点なら一回の信号で、はす向かいに行ける。加えて過去に大阪人は歩行スピードで全国一との調査もあり、ニーズにも合致しそうだ。

大阪府警交通部の福山邦之警視は「警察が一義的に導入を目指すのは歩車分離式信号。スクランブル交差点はその延長で、斜め横断ニーズとの見合い」と説明する。

数こそ多い大阪のスクランブル交差点だが、東京・渋谷のように訪日客の観光名所になる場所はほとんど聞かない。だが、大阪でもスクランブル交差点を別の目的で生かす試みはある。

大阪・梅田の地下街「ホワイティ梅田」のカフェレストラン「ベシャメルカフェ」。店の前のK字状の4差路を「造語で『梅田地下スクランブル交差点』と名付けてアピールしている」(運営する大和企業)。梅田地下街は迷宮と言われるほど複雑。店の場所の案内で、スクランブル交差点にもなりそうな4差路に着目した。

この地下街の4差路のちょうど真上は阪急前交差点だ。大阪市の告示では、御堂筋は阪急前を起点に、終点のスクランブル交差点の難波西口まで続く。起点の交差点は造語とはいえ、街の中心通りの両端に絡むあたりが、スクランブル交差点天国の大阪らしい。

(大阪経済部 山本修平)

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