2018年10月21日(日)

自転車シェアで激変、都市交通のラストワンマイル

CBインサイツ
スタートアップ
コラム(テクノロジー)
(1/2ページ)
2018/4/9 6:30
保存
共有
印刷
その他

CBINSIGHTS

 IT(情報技術)企業を中心に自転車シェア事業参入のニュースが相次いでいる。LINEは中国大手と組み、メルカリやヤフーソフトバンクも続々と参入を表明。世界に目を向ければ先導役は自転車大国の中国だ。新たなテクノロジーを活用したシェアビジネスが都市交通を大きく変えようとする一方、早くも競争が激化して淘汰の波も押し寄せている。

自転車シェアの仕組みは数十年前からあった。だが、ハイテク化した新たなモデルがアジアで急成長したのを受け、ここ数年で大きく注目されるようになっている。

日本経済新聞社は、スタートアップ企業やそれに投資するベンチャーキャピタルなどの動向を調査・分析する米CBインサイツ(ニューヨーク)と業務提携しました。同社の発行するスタートアップ企業やテクノロジーに関するリポートを日本語に翻訳し、日経電子版に週1回掲載します。

自転車シェアのビジネスモデルは20世紀末に欧州で誕生した。2015年に、複数のテクノロジーを駆使した新たなモデルが、中国を筆頭に台頭した。

簡単な手続きで利用できるモバイル決済、あらゆるモノがネットにつながるIoTの技術、そして高度な全地球測位システム(GPS)の普及が決め手だ。遠隔ロックや追跡システムの開発コストが大幅に下がり、自転車シェア各社は専用の駐輪スペースが不要のいわゆる「ドックレス型(乗り捨て型)」システムを構築できるようになった。

乗り捨て型自転車シェアは今や、アジアや欧米を席巻するハイテクトレンドの顕著な例になっている。

■乗り捨て型の特徴とメリット

乗り捨て型は従来のドック型よりもいくつかの点で優れている。第1に、自転車の確保・管理に必要な設備が少ないため低コストで広範囲に展開し、消費者に安価なサービスを提供できる。第2に利用者は自転車を自由に乗り捨てできる。第3にモバイル決済の活用により、自転車の利用や料金支払いが大幅に簡単になる。

こうした要素はいずれも、乗り捨て型サービスの人気を高めている。

また、低価格の電動アシスト自転車も普及している。中国メーカーの主導で電動アシスト自転車の価格は下がりつつあり、乗り捨て型サービスでも人気が高まっている。

自転車シェアの2大プレーヤーは、北京に拠点を置くOfo(オッフォ)と上海を拠点とする摩拝単車(モバイク)だ。両社のこれまでの調達額はそれぞれ20億ドルに達する。オッフォは最近、海外事業を拡大する資金としてアリババ集団などから8億5000万ドルを調達した。

投資家は自転車シェアのスタートアップに資金をつぎ込んでいる

投資家は自転車シェアのスタートアップに資金をつぎ込んでいる

中国での自転車シェアの成功を受け、欧米でも乗り捨て型サービスが広がっている。モバイクとオッフォが海外展開に乗り出す一方で、中国式の乗り捨て型にバリエーションを持たせた現地のスタートアップも現れている。

米国では、Limebike(ライムバイク)やJUMP Bikes(ジャンプ・バイクス)などが大学や大都市向けに乗り捨て型サービスを提供している。電動アシスト自転車を使うタイプも登場。米Bird Rise(バードライズ)は年内に米国の50都市にサービスを拡大するため、1億ドルを調達した。ライムバイクや米Spin(スピン)などもスクーターを使ったサービスに参入した。欧州では、Cityscoot(シティスクート)が都市部の住民向けに乗り捨て型の電動スクーターサービスを提供している。

  • 1
  • 2
  • 次へ
保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報