2018年7月20日(金)

GM、月次販売台数の公表中止 四半期ごとに変更

2018/4/4 15:13
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 【シリコンバレー=白石武志、ニューヨーク=大塚節雄】米ゼネラル・モーターズ(GM)は3日、数十年にわたって続けてきた月次の新車販売台数の公表を取りやめると発表した。天候などに左右されやすいためとしており、4月からは四半期ごとの公表に切り替える。かつて米国の主要な経済指標とみなされた米新車販売統計だが、近年は景気全体との連動性が薄れ、影響力の低下も指摘されていた。

GMは事業モデルの転換にも直面する(1月に発表したピックアップトラック、米デトロイト)

 GMのカート・マクニール副社長は3日に出した声明の中で、月次販売台数の公表を停止する理由について「競争が激しい市場において、実際の販売動向を見分けるのに30日という期間は短すぎる」と述べた。月次のデータは新車の投入や天候、販促活動などに影響されやすく、「四半期ごとの情報の方が事業の実態を把握するのが容易だ」と説明した。

 GMは4~6月分の米新車販売台数については7月3日に、7~9月分については10月2日にそれぞれ公表する。GMを含む米国の車メーカーの販売台数を毎月集計してきた米調査会社のオートデータも、4月以降はGMの公表の日程にあわせて四半期ごとの米新車販売のデータを発表する。

 毎月の新車販売台数は米市場で主要な経済指標の一つに数えられてきた。四半期に頻度が落ちると、米消費の重要な柱である新車販売の把握が遅れることにもなる。GMの企業分析を担当するアナリストにも迷惑な話だ。「GMのボイコットは注目に値する。市場に予想されるがままになり、同社に利するとは思えない」(スコティアバンク)と困惑する声もある。

 一方、景気動向を把握するうえでは「さほど大きな影響があるとは思えない」(米証券エコノミスト)との見方も多い。月次統計では、商務省が発表する小売売上高で業界全体としての自動車の販売動向が把握できるためだ。

 GMの動きは自動車産業の変質も背景にある。車メーカーは自動運転技術が進むのと並行してサービス化にカジを切り始め、GMのメアリー・バーラ最高経営責任者(CEO)は「販売台数を追う従来の面的拡大はやめる」とかねて表明している。1人に1台を売るのではなく、ライドシェアなどサービスを提供する会社へと変わる前兆ととらえることもできる。

 同業他社が追随するかはまだ不透明だ。3日に3月の新車販売について電話会見した米フォード・モーターのマーク・ラネーブ副社長はGMの決定について「明らかに賛否両論がある」と説明。自社の対応については「議論に時間をかけたい」と述べるにとどめた。

 近年は米景気の拡大局面が続いているにもかかわらず米新車販売は頭打ちとなっており、買い替えサイクルに従って山谷を繰り返す傾向も強まっていた。今回のGMの決断は「ビッグスリー」が米経済を代表する時代が終わりを告げたことを象徴するものといえそうだ。

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