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ラグビー・ジョーンズ氏がしかけた「内なる革命」

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2018/4/5 6:30
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ラグビーのイングランド代表が転機を迎えている。エディー・ジョーンズ監督就任以来の快進撃が一転、今年の欧州6カ国対抗は5位に沈んだ。現地では監督の進退を問う声も出始めた。しかし、当の本人は落ち着いたもの。2019年ワールドカップ(W杯)日本大会を照準に、「内なる革命」を進めている自負があるからだ。

就任後初の3連敗に「失望」

ジョーンズ監督は「チームの内側を変えようとしている」と強調する

ジョーンズ監督は「チームの内側を変えようとしている」と強調する

「この結果に失望している」。6カ国対抗の最終戦でアイルランドに15―24と敗れた直後、ジョーンズ監督はこう話した。大会史上初の3連覇に挑みながら、終わってみれば、5チームで争っていた1984年以来の順位に低迷。自身の就任後、初の3連敗も味わった。

結果だけでなく、内容もよくない。最初の2敗の一因は、タックル後の密集戦の劣勢だった。イングランドの攻撃の弱みを狙い撃ちされたような形。ピッチの中央付近でFWがつくる密集を少人数で制し、次の攻撃に人手を割くはずが、前段の密集に重圧を掛けられ、ボールを奪われた。

2勝2敗で迎えた最後のアイルランド戦では「攻撃の選択肢を絞った」とジョーンズ監督。FWが孤立しやすいプレーを制限したとみられる。その効果か、密集戦で攻守交代を許した回数が2度に半減した一方で、攻めが単調になる副作用も発生した。好機をつくりながら崩しきれない場面が目に付いた。

最後まで修正が効かなかった欠点もあった。アイルランド戦の後、ハートリー主将が悔やんだ。「密集戦は良くなったけど、ペナルティーは改善できなかった」。反則の数は3試合とも2桁を記録。勝負どころや、不注意からのものが目立ち、一時退場者も2度出してしまった。

「チームの内側変える」

大会後、現地のメディアでは監督の采配に数々の疑問が呈されている。選手の蓄積疲労に対する配慮の欠如、攻撃戦術の担当コーチの不在……。「決断力のあるジョーンズ氏がラグビー協会の幹部だったら、もう監督をクビにしているだろう」。皮肉交じりに解任論を載せる新聞もあった。

厳しい批判の中でもジョーンズ監督は強気を崩していない。アイルランド戦後の記者会見では、こうも語った。「今はチームにとって必要な時期だ。チームの内側を変えようとしているからだ」

翌日、本人にその詳細を聞く機会があった。具体例の1つがコーチ陣の役割変更だという。「今大会では各アシスタントコーチに1試合ずつ、監督の役割を任せた。経験を与え、より強いコーチングスタッフをつくるためだ」。選手選考などの大枠はジョーンズ氏がみるが、細部の戦術や練習の指導などをコーチに委ねたという。

有能なコーチでも、専門領域を離れて急にチーム全体を指揮するとなると簡単ではない。短期的には戦術の落とし込みなどに支障が出るだろう。修正力の高いジョーンズ監督にしては珍しく、同じような形の敗戦が続いた一因は、ここにあったのかもしれない。

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