避難解除1年、生活改善へ模索続く

2018/4/2 22:00
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東京電力福島第1原子力発電所事故による避難指示が福島県の4町村で一斉解除されて1年経過した。富岡町では双葉郡の救急医療を担う福島県ふたば医療センターが1日に新設されるなど、被災地の生活環境は徐々に改善している。それでも住民の不便や不安感の払拭には遠く、帰還促進へ模索が続く。

福島県ふたば医療センター付属病院の開院式(1日、福島県富岡町)

同センターは緊急の手術や入院に24時間対応する双葉郡唯一の2次救急医療機関。日中は4~5人、夜間は少なくとも2人の医師が治療にあたる。建設費は約25億円で、運営費は年間16億円程度を見込む。宮本皓一町長は1日の開院式で「郡全体の医療を支え、復興加速の大きな力になる」と期待を込めた。ただ、救急科と内科のみのため、住民の間には「歯科や眼科も診てもらえたら」(83歳女性)との声もある。

生活環境の整備を急ぐのは住民の帰還が進まない状況が続いているためだ。避難解除エリアの住民登録者に対する居住者の比率(2月末~3月初め時点)は浪江、富岡両町で5%に届かず、飯舘村は11%、川俣町山木屋地区は31%だ。

商業施設は帰還者以外の利用も多い。飯舘村の道の駅「までい館」は県外客が目立つ。同館広報担当の中山真波さんは「飯舘の復興を多くの人が気にかけてくれるのは何よりうれしい」と喜ぶ。富岡町の大型商業施設「さくらモール」は1日まで開業1周年の大感謝祭を開催。入居するヨークベニマルの渡辺利彦店長は「引き続き(南側の)楢葉町や広野町からの来店が多く、(帰還者ではない)作業員が自炊のために生鮮品を買うケースも増えている」と話した。

浪江町商工会の金沢文隆さんは「1年たっても街のにぎわいにはほど遠い。商業に携わるものも自治体もまだまだやるべきことが多い」と話していた。

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