景況感8期ぶり悪化 3月日銀短観、原料高響く

2018/4/2 10:30
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日銀が2日発表した3月の全国短期経済観測調査(短観)で、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)が大企業製造業で8四半期ぶりに悪化した。前回の2017年12月調査から2ポイント悪化し、プラス24だった。資源価格上昇に伴う原料高が進む中、価格転嫁ができなかったことが影響した。人手不足も企業の景況感の重荷となっている。

業況判断DIは景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業を引いた値。大企業製造業の業況判断DIは、17年12月まで5四半期連続で改善が続いていた。QUICKが集計した市場予想の中央値(プラス25)を1ポイント下回った。

業種別では、16業種中8業種で業況が悪化した。悪化が目立ったのは鉄鋼や非鉄金属といった素材業種だ。素材業種全体では、12月調査から5ポイント悪化のプラス22だった。

原油のほか鉄鉱石、アルミニウムなど資源価格が幅広く上昇していることが響いた。鉄鋼は9ポイント悪化のプラス10、化学も9ポイント悪化のプラス26だった。非鉄金属はプラス32と6ポイント悪化した。

改善したのは5業種。はん用機械は7ポイント改善のプラス44、生産用機械は8ポイント改善のプラス52だった。世界的に需要が好調な半導体などの分野で設備投資が伸びている。

深刻な人手不足が建設や小売りなど非製造業の業況に一段と影を落としている。大手企業非製造業の業況判断DIはプラス23と2ポイントの悪化だった。悪化は6四半期ぶり。建設は3ポイント悪化のプラス43、宿泊・飲食サービスは2ポイント悪化のプラス3だった。

雇用人員が「過剰」と回答した企業から「不足」の割合を引いた雇用人員判断DIは全規模全産業でマイナス34と約26年ぶりの低水準だった。

大企業より改善が遅れてきた中小企業の景況感も息切れした。全産業の業況判断DIはプラス11で横ばいだった。もっとも企業の景況感は全体としてはなお高水準が続く。大企業、中堅企業、中小企業を合わせた全規模全産業の業況判断DIはプラス17と1ポイント改善し、1991年8月以来の高い水準を付けた。

短観の調査対象は全国約1万社。今回の回答期間は2月26日~3月30日で基準日の12日までに約7割が回答した。今年に入って進んだ円高・株安の影響は、企業の足元の景況感には限定的だった。

設備投資は堅調だ。2017年度の大企業製造業の設備投資計画は16年度に比べて7.3%増えた。前回から3.0ポイント下方修正したが、例年に比べて高い水準を維持した。18年度は4.9%増を見込む。

市場の注目度が高い大企業製造業の18年度の想定為替レートは1ドル=109円66銭だった。4月2日午前の円相場は1ドル=106円台で、足元よりも3円ほど円安を見込む。今の為替水準が続けば、今後、企業収益の押し下げ要因となる可能性がある。

日銀は今回の短観で3年ぶりに調査対象企業を見直した。指標の連続性を保つため、比較に使う17年12月調査分は新しい調査対象で再集計した。

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