御園座、にぎわう船出 5年ぶり復活にファンら2400人

2018/4/1 21:10
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名古屋市伏見地区の老舗劇場、御園座が1日、新装開業した。旧劇場が2013年3月に閉館して以来、5年ぶりの復活。こけら落とし公演には待ちわびた歌舞伎ファンら約2400人が足を運び、新たな船出を祝った。市内では劇場閉鎖が相次ぎ、芸能文化の発信で御園座が担う役割は大きい。周囲の住民は「にぎわいの中心に」と期待を寄せた。

新装開業した御園座に多くの人が訪れた(1日、名古屋市中区)

御園座のこけら落とし公演で、襲名披露の口上を述べる二代目松本白鸚(右から2人目)と十代目松本幸四郎(同3人目)=1日、名古屋市中区

午前10時すぎ、開場を知らせる一番太鼓が鳴り響くと、晴れ着姿の女性や記念写真を撮影していた人らが続々と劇場に入っていった。壁やじゅうたんが朱色に塗られた「御園座レッド」の入り口で、小笠原剛会長が紋付きはかま姿で出迎えた。

長年の歌舞伎ファンで近くで働く愛知県日進市の男性(63)は「どんな劇場ができるのか、楽しみに見守ってきた。たくさんの人が来るといい」。着物姿の名古屋市の女性(46)は「朱色が映える素晴らしい劇場になった」と笑顔を見せた。

この日は、二代目松本白鸚(はくおう)さんと十代目松本幸四郎さん父子の襲名披露興行「柿葺落(こけらおとし)四月大歌舞伎」の初日。白鸚さんは口上で「数々の御園座の思い出とともに、感無量の思いがいたしまする」とあいさつした。客席からは屋号の「高麗屋」の掛け声が飛び、拍手がわき起こった。

御園座は名古屋の財界有志が1896年に創業した。「名古屋三大劇場」に数えられたが、団体客の減少で経営不振となり、12年3月期には債務超過に陥った。

老朽化した旧劇場は13年3月に閉館し、メインバンクの三菱UFJ銀行などの支援で経営再建を進めた。新劇場は、同じ場所に建てられたマンションなどからなる40階建ての「御園座タワー」2~5階に入居する。

デザインは新国立競技場を設計した建築家の隈研吾氏が監修。外観は「なまこ壁」をイメージした白と黒の格子状で、劇場の天井や壁は木目調の市松模様とした。客席は最大約1300席で、今回から休憩時間などに座席で飲食できるように。今後、オペラやミュージカルなど幅広い演目を手掛けていく。

三大劇場のうち、名鉄ホールと中日劇場は閉館した。御園座近くに住む主婦(66)は「市内の劇場がなくなり、寂しく思っていた。新劇場がにぎわいの中心になれば」と期待を寄せる。

1日のチケットはほぼ完売だった。小笠原会長は「大変多くの方に来てもらい、感謝している。喜んでいただけるよう、一層努力したい」と気を引き締めていた。

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