一足早く入社式 ANAや三越伊勢丹
品質維持や安全確保訴え
新年度初日の1日、日曜日ながら百貨店など一部企業が入社式を開いた。多くの企業は2日に入社式を開くが、一足早い開催となった。今年の新入社員は約63万人。人手不足や働き方改革など環境が大きく変化する中、経営トップは、品質維持や変化対応を求めた。

羽田空港の自社格納庫でグループ合同の入社式を開いたANAホールディングス。昨年に次ぎ過去2番目に多い2649人の新入社員が出席した。片野坂真哉社長は訓示で、「安全が全て」と4回繰り返して強調。運航乗務職(パイロット)で入社した岡田伸さんは「安全運航への熱い思いが響いた。一員として頑張りたい」と語った。
ファミリーレストラン最大手のすかいらーくの入社式では、谷真社長が「消費者は20年近いデフレを経て厳しい選択眼を持つようになった。満足してもらえるサービスの品質を保つことで成長できる」と指摘。約180人が出席した三越伊勢丹ホールディングスの杉江俊彦社長は「物を売るだけではなく、豊かな心や生活を提供するのが大切な使命」と語った。
働き方改革に取り組む日本電産は京都市内で入社式を開き、279人が出席した。永守重信会長は「残業をゼロにして生産性を2倍にする取り組みを進めている」と強調。「(生産性改革で)できた時間は自己の能力を高める時間に充ててほしい」と語った。
変化への対応を求めるトップも目立った。グループの新入社員約120人が出席した高島屋は、木本茂社長が「多様化する消費者ニーズに応えていかなければ成長できない」と述べた。家電量販店、ノジマの野島広司社長は「変化に対応するものが生き残る」とM&A(合併・買収)などへの挑戦の意義を訴えた。