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時価総額の逆転相次ぐ 鉄道・不動産・百貨店など

経済
2018/3/31 19:00
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 株式市場で同じ業種内の企業の時価総額順位が逆転する例が相次いでいる。2017年度は鉄道や不動産、百貨店などで大手企業の順位が入れ替わった。米中の貿易摩擦や円高の進行などで株式相場の先行き不透明感が強まる中、投資家は収益環境の変化に対応して高い成長力を保つ企業への選別を強めているからだ。各社の時価総額が明暗を分けた理由を探ると「単価上昇」「訪日客需要」「アジア開拓」の3つのポイントが浮かび上がってくる。

 時価総額は株価に発行済み株式数を掛け合わせた数値で、市場が評価する企業の価値を示す。

 JR東海JR東日本を抜いて鉄道会社でトップになった。景気回復に伴って、単価が高い会社員の出張に伴う新幹線の利用増が業績を押し上げている。JR東日本は16年に開業した北海道新幹線の開業効果の反動減が懸念されるうえ観光客への依存度が高いため、単価が上がりにくい。客単価を引き上げる力の差が逆転につながった。

 積極的な成長戦略が好感されたのが三井不動産だ。時価総額は2月に三菱地所を3年5カ月ぶりに抜き、不動産で首位に立った。既存オフィスビルは空室が順調に埋まり、平均賃料が上昇。今後は都心で新しいビルを次々と完成させる。東京・丸の内地区に優良ビルを数多く抱え、安定性がウリの三菱地所と収益の伸びで差が出ている。

 ゼネコンでは選別受注を進めてきた鹿島が市場の評価を高めた。20年の東京五輪開催に向けたホテルやインフラなどの建設計画がほぼ出そろい、今後は新規の大型案件が積み上がりにくい。その中でも工事単価を引き上げる好採算工事を抱えているかどうかが時価総額の差として表れた。

 訪日客需要の取り込みもカギだ。マツモトキヨシホールディングスはドラッグストアが中国人客でにぎわう。自社サイトで中国語の「簡体字」と「繁体字」の双方を使いリピーターを呼び寄せる。コスモス薬品は人件費が予想以上に膨らみ、利益を伸ばせずにいる。

 J・フロントリテイリングは傘下の大丸松坂屋百貨店の免税売上高が前年比1.5倍を超えるペースだ。17年4月に東京・中央に開業した「GINZA SIX」で得る賃料収入も利益を押し上げる。不採算店舗の閉鎖など構造改革に苦戦する三越伊勢丹ホールディングスと明暗が分かれた。

 アジア市場の開拓も企業価値を左右する。ヤクルト本社は中国やオセアニアで乳酸菌飲料「ヤクルト」の販売が好調で、18年3月期は最高益を見込む。時価総額は主力のヨーグルトの販売鈍化懸念がくすぶる明治ホールディングスを抜いた。

 中国が取り組む「トイレ革命」が追い風になっているのがTOTOだ。衛生陶器や温水洗浄便座の販売が伸び、時価総額は一時1兆円の大台を突破。国内事業の不調が足を引っ張っているLIXILグループを抜いた。

 足元ではトランプ米大統領の保護主義的な通商政策を懸念し、円高・ドル安が進行した。「為替抵抗力があり、利益成長に安定感のある企業の市場価値が高まりそうだ」(三菱UFJ国際投信の石金淳氏)との指摘が出ている。(植出勇輝)

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