45年の都心3区人口、15年比3割増 多摩は減少目立つ
厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所が30日発表した2045年の将来推計人口によると、東京都心への人口流入が一段と進む見通しだ。都心3区(千代田、中央、港)は15年比で3割超の増加。一方、多摩地域は減少率が2桁の自治体が目立つ。都内でも自治体間の人口格差が一段と広がりそうだ。

都心3区は15年に約44万3000人で、45年の推計では約59万5000人に増える。同研究所は3区について「マンション建設が相次ぎ、予想以上に人口が増加した。今後もその傾向は続くのではないか」と分析する。3区は全国の市区町村別の増加率で上位3位を占めた。
都心3区で増加率が最も大きいのは中央区の34.9%。前回(13年)の推計では40年の人口は10年比14.4%増で、増加ペースが加速する格好だ。中央区晴海では20年の東京五輪の選手村を建設中で、大会後に転用するマンションには新たに1万人超が入居する予定。千代田区は前回推計で40年に10年比で人口減の予想だったが、今回は一転して32.8%増を見込む。
人口増は税収増などにつながる半面、行政需要増への対応も急務になる。3区のある幹部は「学校や保育所などの施設整備は人口増を追いかけていくしかない。行政サービスの質を確保するために相当の工夫が必要になる」と指摘する。
一方、多摩地域では人口減の自治体が目立った。減少率が最も大きいのは町村を除くと福生市の39.7%。前回推計に比べ減少率が10ポイント以上高まった。23区でも足立区や江戸川区などは人口減を見込む。
45年の都内の推計人口は約1360万人で、15年に比べ約9万人増加。特に75歳以上人口は約147万人から約227万人に増える。特別養護老人ホームなどの介護施設・人材の確保も重要な行政課題になる。
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