JDI、550億円調達 日亜化学も出資

経営再建中のジャパンディスプレイ(JDI)は約550億円を資金調達すると発表した。第三者割当増資で海外の機関投資家15社から計300億円、液晶パネル向けの発光ダイオード(LED)を手掛ける日亜化学工業から50億円を調達する。また生産停止している能美工場(石川県能美市)を、筆頭株主の産業革新機構に売却し、約200億円を調達する。
JDIは今秋発売予定のiPhone向け液晶パネルを多数受注しており、550億円の調達資金は液晶増産のための部材調達や生産設備などに充てる計画だ。資金繰りが苦しいJDIは今秋のiPhone発売前に在庫を積み増すためにも部材調達の資金繰りを確保する必要があった。
JDIは同日、有機ELパネルのJOLED(ジェイオーレッド)を子会社化する方針を撤回すると発表した。革新機構はJDIから取得した能美工場をJOLEDに現物出資する方針で、能美工場は中大型の有機ELパネルの量産工場として生産設備の導入を始める。
財務基盤の立て直しが急務となっているJDIは2017年8月に「グローバルパートナーとの提携」を掲げて、海外の事業会社との資本提携を模索してきた。最有力とみられていた中国の複数のパネルメーカーと水面下で協議してきたものの、条件交渉が難航している。
関連企業・業界
企業: