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投信コラム

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じゅん@さん 刻んで狙う複利効果(投信ブロガー)

2018/4/3 12:00
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 じゅん@さん(40代半ばの男性)は企業で研究開発に携わり、茨城県で共働きの妻と二人で暮らす。運営するブログ「投信で手堅くlay-up!」の名称はゴルフ用語のレイアップショットにちなんだもので、大きな一発でグリーンを狙うのではなく、丁寧に一歩ずつ着実に刻みながらスコア獲得を目指す投資スタイルについて発信している。じゅん@さんに、どんな刻み方で手堅くコツコツと資産を積み上げきたのかその道のりを聞いた。

■きっかけは住宅ローンの複利

 ――投資のきっかけを教えてください。

 「自宅マンション購入で35年の長期ローンを検討した際に複利で膨らむ返済額の恐ろしさを知り、逆に資産運用に当てはめたらすごいことになるかもしれない、と考えたのがきっかけです」

 「投資情報を集め始めた頃、書店でたまたま手に取ったのがインデックス(指数連動型)運用の名著とされる『敗者のゲーム』(日本経済新聞出版社)でした。ゴルフが趣味のため、本に記されていた『ゴルフではミス・ショットを少なくしないと負ける』という意味の例えが目に留まり、インデックス投資に興味を持ちました」

 「その頃、インデックス投資に関する情報は少なく、ブロガーさんの書き込みは貴重な情報源でした。自分でも学んだことを発信してみようと、投資信託を初めて購入した2006年にブログを立ち上げました」

■リーマン・ショックとリストラで投資を見直し

 ――投資開始当初からずいぶんと資産配分が変わっています(図A)。

 「最初は外国株式型と外国債券型のインデックスファンドをそれぞれ10万円程度購入しました。その後、国内の経済イベントや日々の株価動向も気になり始め、日本株ETF(上場投信)や個別株を買ってみたりした結果、投資初期は日本株の比重が半分以上ありました」

 「現在は、当時に比べ国内債券の比率を増やしています。株式については世界の株式市場の時価総額比を基準にして地域配分していますが、GDP(国内総生産)の大きさも意識し新興国株がやや多めです。実際に中国や香港を旅行して現地の熱気を強く感じ、今後の成長に期待を込めています」

 ――投資配分を見直した転機はいつですか。

 「08年の米リーマン・ショックと、転職です。投信の元本が半減し、住宅ローンの負債を含めると実質的な赤字状態でした。そのうえ、勤めていた外資系企業の研究所閉鎖が決まり、転職活動をしなければならなくなりました。妻が働いていたので、すぐにお金に困る状況ではなかったのですが、明日の仕事がどうなるか分からない状態での投資は大きなストレスでした」

 「そのため、リスクを抑える目的で、日本株部分を大幅に減らし、それまで投資していなかった国内債券を加えました。現在は、リスク資産の投信と預貯金などの無リスク資産の割合が半々になるようにしています」

 「生活防衛資金は『3カ月分程度あれば十分で、現金が必要になった際にリスク資産を売却すればよい』といった考え方もありますが、実際に半値になってみると損切りにはかなりの抵抗を感じました。この時の経験が今の資産配分の考え方の基になっています」

 「一方、06年末ごろから始めた毎月十数万円のインデックスファンドの積み立て投資は続けました。預金利息だけでは不安なうえ『複利の運用力』を信じたからです」

 「リバランス(資産配分の再調整)は年1回、年末頃に検討しますが、きちっとしたルールは設けていません」

 ――投資対象はインデックスファンドだけですか。

 「新興国株式型のインデックスファンドがまだなかった時に、アクティブ(積極運用)型のファンドを保有したことがあります。ただ、市場平均に勝ち続けるアクティブ型ファンドを事前に選ぶことはできないうえ、アクティブ型は運用コストも高いので、現在はインデックスファンドのみを保有しています」(図B)

 「当初購入した個別株やETFも売却しました。ETFは金額指定での売買ができず積み立て投資には向かないため、保有メリットが薄れました」

 ――積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)は利用していますか。

 「はい。つみたてNISAの年間非課税枠の上限(40万円)を使い切るつもりです。一般NISAは5年の期限での売却タイミングが気になり自分の投資スタイルに合わなかったのに対し、つみたてNISAだと売却時期など気にせずに長期投資ができそうです。特定口座での積み立て投資も続けています」

 「妻は一般NISAでバランス型のインデックスファンドを積み立て投資していましたが、今年からはつみたてNISAに切り替え、別のバランス型を購入し始めました。妻も40万円の非課税枠を使い切る予定です」

■住宅ローン完済、運用資産は目標額達成へ

 ――投資の目標をどのように設定していますか。

 「期待リターンを数値目標にして、大きなリスクをとったとしても、現実は期待を下回ることが多いようです。私の場合は、リターンを若干犠牲にしてでも、リスクを抑えながら最終的には目標を達成するような手堅い長期投資を目指しています。数値のイメージでは、リスク資産のみで年率リスク10%、リターン年率5%程度が理想です」

 「コツコツ投資を続けた結果、退職金も使って住宅ローンを完済し、運用資産は2013年にようやく黒字化。その後は、アベノミクス後の運用パフォーマンスが良かったこともあり、60歳までに達成したいと当初思い描いていた資産額(5000万円)を今年中に実現できそうです」

 ――何かこだわりはありますか。

 「資産を増やすためには、投資元本を増やすことが必要です。そのためには、家計を節約し収入をいかに増やすかが大事と考えてきました」

 「そして、一番は手間をかけずに長期継続することです。現在は自動積み立てで複数の投信を購入していますが、将来は運用資産を取り崩しながら生計を立てることになるので、いずれはバランス型一本に絞り込み、定額の解約サービスを利用することも考えています」

■ネット証券のポイント還元サービスを有効活用

 ――運用コストの高いファンドは買い替えた方がいいのでしょうか。

 「収益の出ているファンドは、譲渡益に対する税金の影響が大きいため、元本割れするまで買い替えは待った方がいい場合もあり、コストが高いからといってすぐに売る必要はありません」

 「しかも、ネット証券のポイント還元サービスを利用すると、コストの高いファンドほど多くのポイントが付くケースがあります。サービスの永続は保証されていませんが、現状ではそのまま保有し続けてもそれほど不利にはなりません」

 「例えば年間の信託報酬が0.5%のファンドに0.2%のポイントが付くと実質は0.3%です。新規ファンドの購入や現金化が可能なポイントサービスもあります」

 ――インデックスファンドのコスト引き下げ競争についてはどう思いますか。

 「低コスト化はもちろん歓迎しますが、気掛かりな点もあります。運用会社が赤字覚悟でコスト引き下げを続けると、競争から脱落する運用会社が出てきて、その結果、投資家の選択肢が狭まったり、運用の質が低下するのではないか、一抹の不安があります」

■相場急落の心構えは

 ――18年2月の相場急落で質問が目立ったそうですが。

 「ブログを通じて、投資を始めたばかりの初心者から『このまま保有してもいいのですか、乗り換えるべきですか』といった相談が相次ぎました」

 「購入した投信のことは忘れて一喜一憂しないのが一番ですが、どうしても下落が心配で気にかかるようであれば、リスクを保守的にとるよう資産配分を見直すしかないと思います」

 ――投資初心者へのアドバイスをお願いします。

 「とにかく少額でもいいから投資を始めるのが大切です。ただ、内容や仕組みが理解できないような投信には手を出さないのが鉄則です。その意味でも『つみたてNISA』は取っ掛かりにふさわしい制度です」

 「私が投資を始めた頃とは違い、今は良質な投資ブログがたくさんあり、商品選びなどの参考にしてはどうでしょうか。『投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year』はファンドの供給側ではなく消費者自らが良いと思う投信を選ぶ賞なので、ファンド選びの参考になります」

 

(QUICK資産運用研究所 聞き手は笹倉友香子、高瀬浩)

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