新規就農を支援 ポケットマルシェとマイファーム
食材ネット通販を手掛けるポケットマルシェ(岩手県花巻市、高橋博之社長)と体験農園を展開するマイファーム(京都市、西辻一真社長)は、新規就農者の支援を目的に事業提携した。マイファームの運営する農業スクールの卒業生に対して、ポケットマルシェを通じた販売やマーケティング手法のノウハウなどを提供。新規就農者の経営を助ける。

両社によると、新規就農者は毎年約6万人いるものの、約3割が5年以内に離農している。就農後に販売が伸び悩むことが背景にある。農業就業人口が減少傾向にあるなかで若手新規就農者の定着が課題となっており、両社は「経営サポートを通じて離農者を減らしたい」としている。
マイファームは2011年から社会人向けに農業ビジネススクール「アグリイノベーション大学校」を関東と関西で展開。累計入学者は1000人を超え、卒業生の4分の1が就農している。ポケットマルシェは新規就農者の同社サービスでの販売状況や消費者とのやりとりなどを分析してマイファームへ提供。売れる生産物の価格や内容などの情報を蓄積し、マイファームのスクール卒業生の経営支援に生かす。
29日に東京都内で開いたイベントで、ポケットマルシェの高橋社長は「農業を始めても売れないと辞めていくことになる。ポケットマルシェ利用者の事例を共有し、就農志望者向けの授業の中で生かしてほしい」と話した。マイファームの西辻社長も「授業でスーパーや直売、ネット通販など販路の説明はしているが、どう売ればいいか、どうすれば消費者に響くのかという部分が不足している。店頭販促(POP)やパッケージング、ブログの書き方なども含め、(生産者と消費者の間の)ラストワンマイルを埋めていきたい」としている。
(企業報道部・佐藤史佳)