2018年6月25日(月)

ANA、遠隔操作ロボを活用したサービス事業に参入

科学&新技術
BP速報
2018/3/30 20:00
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日経クロステック

 ANAホールディングス(HD)は2018年3月29日、遠隔操作ロボットを使用したサービス事業に参入すると発表した。観光地に設置した遠隔操作ロボットを消費者に貸し出し、遠隔地から釣りなどを体験できるようにするほか、グループの全日本空輸(ANA)の空港業務にも活用する。

遠隔操作ロボットを使った釣り体験のデモ。中央の女性が持っている釣り竿を引き上げたりリールを巻き上げたりすると、右側の釣り竿が連動して動く

遠隔操作ロボットを使った釣り体験のデモ。中央の女性が持っている釣り竿を引き上げたりリールを巻き上げたりすると、右側の釣り竿が連動して動く

 「ANA AVATAR(アバター)」事業として複数の取り組みを展開する。まずは大分県と協業し、18年10月から同県内の複数の観光地で既存の遠隔操作ロボットを使い実証実験を繰り返す。その後、19年4月から本格サービスとして展開し、3年以内の黒字化を目指す。

 19年のサービス開始当初は、ANAの空港業務で遠隔操作ロボットを活用する計画。ANAの海外拠点の社員が国内空港に設置した遠隔操作ロボットを操作し訪日外国人に対応したり、在宅勤務者が担当できる業務を拡充したりする考えだ。

 「まずは現在ある技術で事業を始めて、徐々に理解を広げていきたい」(ANAHD デジタル・デザイン・ラボ アバター・プログラム・ディレクターの深堀昴氏)としており、その後観光地の遠隔体験サービスなどを順次展開するとみられる。

空港業務における遠隔操作ロボット活用のデモ。中国人の乗客に対し、中国語を話せるANAグループ社員が遠隔地から手荷物のチェックイン方法を説明する

空港業務における遠隔操作ロボット活用のデモ。中国人の乗客に対し、中国語を話せるANAグループ社員が遠隔地から手荷物のチェックイン方法を説明する

 並行して、同社のクラウドファンディング事業「WonderFLY」による遠隔操作ロボット関連技術の開発支援、汎用の遠隔操作ロボットを開発するための賞金レース「ANA AVATAR XPRIZE」の開催などを進める。事業の収支プランについては「AVATAR単体で事業が成立するよう考えている。事業化から3年以内の黒字化を目指している」(ANAHD デジタル・デザイン・ラボ アバター・プログラム・イノベーション・リサーチャーの梶谷ケビン氏)とした。

 ANAHDの片野坂真哉社長は「仮想現実(VR)は事前に撮影した映像を見るだけだ。それに対し遠隔操作ロボットは視覚だけでなく周囲の人と会話を楽しめるほか、魚を釣り上げたり氷を冷たいと感じたりといった触覚も体感してもらえる。釣った魚を宅配便で送ることも考えている。ケガや高齢、仕事などで旅行できない人にも実際に旅行している気分を味わってもらえる。そうした体験は、次は現地へ行きたいと航空旅行を想起してもらうきっかけにもなる」と語り、本業の航空輸送業務とも親和性のある事業だと強調した。

説明会ではANAHDの片野坂真哉社長(右)が、自走式のテレビ会議装置「Beam Pro」の画面越しに大分県の広瀬勝貞知事と会話した

説明会ではANAHDの片野坂真哉社長(右)が、自走式のテレビ会議装置「Beam Pro」の画面越しに大分県の広瀬勝貞知事と会話した

(日経 xTECH/日経コンピュータ 金子寛人)

[日経 xTECH 2018年3月29日掲載]

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