2018年9月24日(月)

英豪リオ・ティント、資源メジャー初の脱石炭

2018/3/28 22:15
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 英豪資源大手リオ・ティントは27日、オーストラリアの石炭鉱山の権益を22億5000万ドル(約2370億円)で売却すると発表した。売却手続きが完了すればリオは石炭資産を持たない初の資源メジャーとなる。環境規制の広がりで発電時に二酸化炭素(CO2)を多く排出する石炭は需要が伸びない。いち早く脱石炭に動き、主力の鉄鉱石などに集中する。

リオ・ティントは豪州の炭鉱を相次いで売却してきた=ロイター

リオ・ティントは豪州の炭鉱を相次いで売却してきた=ロイター

 リオは鉄鉱石のほかアルミニウム、銅・ダイヤモンド、エネルギー・鉱物を手掛ける。競合する豪英資源大手BHPビリトンに比べて部門が多岐にわたり、収益力を高めるため事業構成の見直しを進めている。

 豪東部クイーンズランド州のケストレル炭鉱の権益80%をインドネシアの石炭大手アダロ・エナジーなどに売却する。同鉱山は規模が大きく低コストで操業できる。20年以上の生産寿命を持ち、輸出向けの石炭を産出する。2017年には鉄鋼原料となる原料炭425万トンと発電用の一般炭84万トンを生産した。

 年後半に予定する売却が終われば、かねて進める石炭事業からの撤退が完了する。同社は既に鉄鉱石事業から純利益の76%を得ている。石炭は非中核事業と位置づけ、炭鉱価格を左右する石炭価格の回復を待って売却する機会を探っていた。

 17年9月には中国系のヤンコール・オーストラリアに対し、一般炭を生産する豪子会社コール・アンド・アライド(C&A)を26億9000万ドルで売却した。18年3月中旬にはクイーンズランド州のヘイルクリーク炭鉱の権益82%と、バレリア石炭開発計画の権益71.2%を17億ドルでスイスの資源商社グレンコアに売ると発表していた。

 ジャンセバスチャン・ジャック最高経営責任者(CEO)は一連の資産放出に関し「株主に価値をもたらし、事業構成をより強くする」と述べ、売却益を株主還元や資本効率の向上にあてる考えを示した。主力の鉄鉱石生産のコスト低減に向けた技術のほか、電気自動車(EV)向けに需要が増えるリチウムや銅といった成長分野の開発に資本を投下する。

 石炭は発電時にCO2を多く排出して地球温暖化を進めるとされ世界需要は横ばい傾向。英BPの予測では2040年の消費量は16年に比べ1%増にとどまる。特に環境対策が進む先進国や中国での消費量は今後減っていく見通しだ。鉄鋼原料である原料炭の需要を勘案しても長期戦略に合わないとリオは判断した。

 先進国では市場や金融機関の目も厳しさを増している。豪四大銀行の一角、ナショナル・オーストラリア銀は17年12月、「新たな一般炭の炭鉱に対する貸し付けをやめる」と発表。ノルウェー政府年金基金など世界の年金基金も石炭事業に依存する企業に投資しない方針を明らかにしていた。

 ただ中国を除くアジア新興国のほとんどは電力不足が続き、火力発電向けの安価な石炭の消費は今後も伸びる見通しだ。新興国勢が先進国の企業が手放す炭鉱を買収するケースが目立っている。

 リオから炭鉱を買い取るアダロも、国内外の石炭権益に積極的に投資している。16年には豪英BHPビリトンからボルネオ(カリマンタン)島の炭鉱権益を買収した。アダロのトヒル社長兼CEOは日本経済新聞社の取材に「石炭の市場はまだ非常に魅力的だ」と述べ、事業の拡大に意欲を示した。

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