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マネーフォワード、仮想通貨交換事業に参入

フィンテック
2018/5/23 18:04
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 家計簿アプリなどを提供するマネーフォワードは23日、仮想通貨の交換業に参入すると発表した。仮想通貨の取引データの提供や、決済に充当できる他社のポイントとの交換も検討する。決済データ管理などで培ったセキュリティー技術を活用。投機的な通貨取引と一線を画し、実際の商取引に基づく仮想通貨の利用者を取り込む。

マネーフォワードは仮想通貨を既存事業の成長にいかす(23日、東京都内)

 3月に設立した子会社「マネーフォワードフィナンシャル」(東京・港)が年内のサービス開始に向け準備を進めている。マネーフォワードの神田潤一執行役員が社長に就任し、金融庁に交換会社の開設を申請した。

 ビットコインやイーサリアムといった主要な仮想通貨を取り扱い、独自通貨は発行しない。代わりに決済や送金、ポイント交換といった付帯サービスを展開し、他社と差別化する。同社は2600以上の金融機関やポイント事業者と連携し、入出金や口座の残高、カードや電子マネーの利用明細の情報を利用者に提供。同じサービスを仮想通貨に広げる。家計簿アプリを20社の交換事業者の取引データと連動させ、仮想通貨専用の損益計算で確定申告をしやすくするサービスも始める方針だ。

 仮想通貨ビジネスに参入するハードルは高くなっている。1月にコインチェック(東京・渋谷)から580億円分の仮想通貨「NEM(ネム)」が不正に流出。内部管理体制の不備から金融庁は登録申請中だった複数の「みなし業者」を処分した。参入を目指す事業者の審査も厳格化され、登録まで時間がかかるようになった。17年に仮想通貨の交換業への参入を表明したサイバーエージェントも、4月に参入を断念すると発表した。

 従来のビジネスモデルも転換を迫られる可能性がある。仮想通貨の交換事業者は、自ら仮想通貨をいったん保有した上で顧客に売却する際の仕入れ値と売値の差額が、往復で10%前後に達するとされる。コインチェック(東京・渋谷)の18年3月期業績(概算)は売却収入から売却原価を控除した純額にあたる売上高が626億円、営業利益は537億円。売上高営業利益率は86%に達し高収益モデルが浮き彫りになった。十分な管理体制をとらないなかでの高い収益の追求には批判も出る。

 マネーフォワードの交換事業はこうしたビジネスモデルとは一線を画す。日本仮想通貨交換業協会によると、国内の仮想通貨取引の顧客数は3月時点で350万人と人口の3%に満たない。仮想通貨取引で高い手数料をとるのではなく、決済の利便性を高めて仮想通貨を使った商取引を増やし家計簿アプリやクラウド会計ソフトといった既存事業の成長につなげる戦略だ。

 マネーフォワードは17年に赤字上場で注目を浴びた。クラウド会計事業などで初期の導入コストを抑えた月額課金の「SaaS(サース=Software as a Serviceの略称)」と呼ばれる事業モデルを取る。販促費など先行投資がかさむが、利用者増につれて収益性が高まる「先憂後楽」型のビジネスモデルだ。神田氏も複数の収益源を挙げ、交換事業については「手数料に頼りきった運営をせずに済む」と説明する。仮想通貨ビジネスが軌道に乗れば黒字化が早まる可能性がある。

(企業報道部 吉田楓)

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