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最古の競馬場の悲願 19年JBCは浦和開催

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2018/3/31 6:30
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私が担当した前回の当コラム(2017年11月25日付)で、「地方競馬の祭典」JBC(ジャパン・ブリーディングファームズカップ)を取り上げました。それから約4カ月後の3月19日、19年のJBC開催競馬場が発表されました。

満員となった17年JBC(大井競馬場)

満員となった17年JBC(大井競馬場)

19年のJBCは11月4日、浦和競馬場(さいたま市)で開催されます。19回目にして、南関東4競馬場の中でただ一つ、JBC未開催だった浦和が招致に成功したのです。以前からJBC開催を目指しているという話は耳にしていましたが、その裏に関係者のどんな思いがあったのか。実際に話を聞いてみました。

70年後に待っていた吉報

1948年に国営(現在の中央)、公営が並立する枠組みを定めた競馬法が制定された後、日本初の公営競馬を開催したのが浦和競馬場でした。今は周りを住宅地に囲まれていますが、開設当時はコースの内側も外側も田んぼ。何とものどかな光景が広がっていたといいます。けいが速歩(馬が1人乗りの二輪馬車を引いて走る)や障害戦も行われた黎明(れいめい)期の浦和競馬は大変な盛り上がりで、スタンドは連日、びっしりと人で埋まる大盛況。現在の最寄り駅である南浦和駅が開業する61年(当時は国鉄)までは、浦和駅から競馬場までの道に長い行列ができるほどだったそうです。

かつての浦和の姿を収めた写真。「南浦和駅開設記念競馬」の開催を伝える看板も写っている(中央上)

かつての浦和の姿を収めた写真。「南浦和駅開設記念競馬」の開催を伝える看板も写っている(中央上)

しかし、91年度に過去最高の384億円を記録した売り上げは徐々に減少し苦境に。01年には累積赤字が過去最多の約25億円まで膨れ上がり、競馬の存続自体が議論になる状況に追い込まれました。そうした状況から運営体制のスリム化、南関東4競馬場のインターネットによる馬券発売など懸命の経営努力を続け、09年には累積赤字の解消に成功。12年2月からは「ウインズ浦和」として日本中央競馬会(JRA)の場外馬券発売を、4月にはJRAのネットシステムを通じた浦和競馬の馬券発売をそれぞれ開始しました。魅力あるレースづくりにも、JRAや他の地方競馬と連携しながら取り組み、昨今のスマートフォンの普及なども相まって、16年度には四半世紀ぶりの記録更新となる389億円の売り上げを達成しました。17年度にはついに400億円の大台も突破と、上げ潮に乗った中で悲願のJBCの開催も実現に至ったのです。

情熱が起こした「拍手」

JBC開催が発表された翌週、取材のため非開催日で場外発売実施中の浦和競馬場へ向かうと、コース内側にある芝の緑鮮やかな広場に地元の方々、親子連れの方々の姿が見えていました。今回、話を聞いた埼玉県浦和競馬組合・総務課の飯田泰士さんは「この競馬場は地元に密着した、憩いの場所でもあるんです。開催をしていない日は、内馬場も開放して地域の方々が入れるようにしているんですよ」と語ってくれました。私が普段、取材やプライベートで足を運ぶ開催日とはまた違う雰囲気が、そこにはありました。

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