伊方原発1基体制に 2号機廃炉 四国電、経済性で選別

2018/3/27 21:57
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四国電力の伊方原子力発電所(愛媛県伊方町)全3基の対処方針が固まった。同社は27日、1号機に続き老朽小型の2号機の廃炉を決めた。3基はかつて域内電力の4割を担ったが、2011年3月の東日本大震災後にできた新規制基準下での安全対策費の採算性を重視。大きく新しい3号機1基のみ基幹電源として残す。需要減や小売り競争激化を受け、原発も経済性から選別された形だ。

愛媛県の中村知事(右)に伊方原発2号機の廃炉を伝える四国電力の佐伯社長(27日、愛媛県庁)

愛媛県の中村知事(右)に伊方原発2号機の廃炉を伝える四国電力の佐伯社長(27日、愛媛県庁)

「苦渋の決断だが、取締役会で廃止やむなしの決定をした」。2号機廃炉の報告に愛媛県庁を訪れた四国電の佐伯勇人社長は就任以来、最も厳しい経営判断の一つだった心境をにじませた。

2号機は設計基準が古い。再稼働にはタービン建屋の耐震補強、非常用海水取水設備の造り替えといった大規模工事に「3号機の1900億円に近い(負担)レベルが想定された」(佐伯社長)。設備利用率82%と、同時期の原発に比べ優等生だった実績から活用を探ったが、投資回収リスクを払拭できなかった。

愛媛県の中村時広知事は「安全のための再投資が必要で、その金額が大きくなると電力料金への影響も出る。企業である以上、収支も視野に入れなければいけない」と理解を示した。

ただ、地元には「関連企業への影響は大きい」(伊方町の高門清彦町長)と経済への懸念も強い。中村知事は廃炉作業に県内事業者の高い技術を生かすよう求めた。

残った伊方3号機は1、2号機より出力が6割ほど大きい。火力や水力などを含めた同社最大の発電設備であり、基幹電源としての位置づけはむしろ強まる。月35億円の燃料費削減効果は、小売り全面自由化時代の競争力を高め、域外に売電して収支を底上げする源泉になっている。

同3号機は16年8月に再稼働したが、17年12月に広島高裁による運転差し止め仮処分決定を受けた。四国電は訴訟担当を増員し、「早期の運転再開を目指す」としている。

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