ポーラHD、薄氷の輝き 最高益でもお家騒動が影

2018/3/27 22:00
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2017年12月期に過去最高益を達成したポーラ・オルビスホールディングス(HD)。シワ改善効果をうたった国内初の美容液「リンクルショットメディカルセラム」がけん引した。ただ足元では鈴木郷史社長の保有株式を巡る一部報道が出たほか、成長市場であるアジアでの苦戦が続く。

「一部週刊誌の報道で株主にご心配をおかけしました。申し訳ございません」。27日、都内ホテルで開かれた株主総会は、鈴木社長のおわびで始まった。鈴木社長は具体的な内容に触れなかったが、自身が保有するポーラHD株式の取得の経緯を巡る一族間の訴訟と見られる。

同訴訟は05年に和解が成立しているが、一部報道では鈴木社長の株式譲渡契約書が偽造されていたと取り沙汰されている。ポーラHDは「事実ではない」と否定する一方、社内では経緯を問題視する声が上がっていた。

ポーラHDの好調な業績は、鈴木社長のリーダーシップに負うところが大きいとされる。リンクルショットは発売まで約15年かかったが、鈴木社長の判断で研究開発を中止しなかった。リンクルショットは中高年の女性を中心に支持を集め、発売初年度で約130億円の売り上げを記録した。

ポーラHDは中期経営計画で20年12月期に売上高2500億円超を目指している。目標達成には新製品開発や営業力の強化が欠かせない。鈴木社長の資質を疑うなど社員の士気が落ちれば、今後の事業に影響を与えかねない。

化粧品各社はアジアなど海外市場の開拓を急ぐが、ポーラHDは海外事業が伸び悩む。11~12年に相次ぎ買収した「ジュリーク」など海外2ブランドは赤字が続く。化粧品は少子化などで国内市場の急拡大は難しいだけに、低迷する海外市場のテコ入れは急務だ。

「リンクルショットをきっかけに株主になった」(60代男性)。好業績を受け、ポーラHDの株主は1年間で約6割増えた。27日の株主総会には昨年より約500人多い1735人が参加した。消費者や株主の期待を裏切らないためにも、鈴木社長ら経営陣には積極的な情報開示や説明も求められる。

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