2018年5月25日(金)

フェイスブック 問われる信頼

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The Economist
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2018/3/28 2:30
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The Economist

 昨年、米フェイスブック創業者のマーク・ザッカーバーグ氏が2020年の米大統領選挙に出馬し、世界一の強国を率いることを目指すかもしれないとの見方が強まった。ところが今、同氏は世界で8番目に大きい上場企業を指揮できること、そして21億人のユーザーがフェイスブックを信用すべきだということを世に示すために戦っている。

 トランプ大統領の16年の選挙活動にかかわったとされる英データ分析会社ケンブリッジ・アナリティカ(CA)が、違法な可能性もある方法でフェイスブックのユーザー5千万人分のデータを入手したとのニュースは批判の嵐に火を付けた。ザッカーバーグ氏が批判に応じるまで5日かかり、やっと声明を出したときには同社が過去にユーザーを失望させたことを認めたが、同社の事業が大きな信用失墜に見舞われていることは理解していないようだった。

ザッカーバーグ氏に対する批判も強まっている=AP

ザッカーバーグ氏に対する批判も強まっている=AP

 プロパガンダと偽ニュースの話題が何カ月も続いた後、欧米の政治家はフェイスブックが手に負えず、現実から目をそらしているとみなすようになっている。米議会はザッカーバーグ氏の証言を求めている。つるし上げになると思っておいた方がいいだろう。

 ニュースが出て以来、投資家が不安にかられ、フェイスブック株は急落した。消費者は遅ればせながら、ブラックボックスのように運営されているハイテク企業にデータを渡す危険に目覚めている。シンクタンクの米ピュー・リサーチ・センターによると、すでに大半の米国人がソーシャルメディア企業を信用していないと話している。ザッカーバーグ氏と業界は早急に変わる必要がある。

■注目ネタを宣伝し誰にでも広告売る

 フェイスブックの事業は次の3つの要素に依存している。ユーザーを画面にくぎ付けにしておくこと、ユーザーの行動に関するデータを収集すること、ターゲティング広告をユーザーに配信するために何十億ドルものお金を払うよう広告主を説得することだ。

 フェイスブックには注目を集めるネタを宣伝し、誰にでも広告を売る動機がある。同社の企業文化は容赦ない利益追求と、自社の美徳に対する楽観的、自己陶酔的な信念が組み合わさったものだ。ザッカーバーグ氏は会社の議決権を支配している。批判されることが明らかに少なすぎる。

 直近の失態では、英国の学者が13年にフェイスブックのユーザー向けにアンケート調査アプリを作ったことが明らかになった。27万人が回答し、彼らにはフェイスブック上の友達が5千万人いた。結局、全員のデータがCAの手に渡ることになった。

 フェイスブックは、こんなことは二度と起きてはならならず、学者とCAが利用規約に違反したと語ったが、どちらも不正を否定している。欧米の規制当局は調査を進めている。フェイスブックは15年に問題を把握していたが、個々のユーザーに注意喚起しなかった。CAがトランプ氏の選挙活動にどれほど貢献したのかは誰にも分からないが、今回の騒ぎはトランプ氏が公正に選挙に勝てたはずがないという左派の不信感によって増幅されている。

 しかし、これはフェイスブックの弁護にならない。今回のエピソードは、プライバシーに対する緩さ、不正確さの寛容、ミスを認めたがらない態度という確立されたパターンに合致しているからだ。

■伸び悩む米国のユーザー数

 ザッカーバーグ氏は17年初め、偽ニュースが選挙に影響を与えたという考えを「かなりクレイジーだ」と一蹴した。9月になると、フェイスブックはロシア政府と関係のある企業がたった10万ドルで同社の広告を3千件買ったことを明らかにしたが、当初は1億5千万人のユーザーがロシア人工作員による無料の投稿を目にしたことに触れなかった。同社はユーザーの統計について、繰り返し広告主をミスリードしてきた。

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