2018年7月23日(月)

iPS免疫細胞でがん破壊 和歌山県立医大、新療法開発に道

2018/3/27 9:29
保存
共有
印刷
その他

 iPS細胞から作製した免疫細胞の一種「樹状細胞」を使い、がんを破壊することに成功したと和歌山県立医大のチームが27日までに、明らかにした。樹状細胞を利用する免疫療法は既にあるが、iPS細胞を使うことで高い破壊力が期待でき、新たな療法として開発したいという。成果は英科学誌電子版に掲載された。

 チームによると、樹状細胞は、がん細胞を攻撃するよう別の種類の免疫細胞に指令を出す。免疫療法では、患者自身の樹状細胞を体外で培養したり、がん細胞だけを狙って攻撃できるように手を加えたりして、体内に戻すのが一般的だ。

 しかし、がん患者から取り出せる樹状細胞は数が少なく、働きが低下しているのが課題だった。

 チームは、がん患者のiPS細胞から作った樹状細胞は、健常な人の樹状細胞と同様の高い免疫機能を望めることに着目した。人のiPS細胞から作製した樹状細胞を、試験管内で胃がんや大腸がんの細胞と混ぜたところ、1~3割のがん細胞が消失。マウスのiPS細胞から作った樹状細胞を皮膚がんのマウスに投与した実験では、がんが約7割破壊された。

 iPS細胞は一度採血するだけで作製でき、治療に必要な分量の樹状細胞も作り出せるため、患者の体の負担が少ない利点もあるとしている。チームの尾島敏康講師は「安全性も確認できた。さらに研究を進めたい」と話している。〔共同〕

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報