米欧、ロシア外交官を国外追放 英暗殺未遂で制裁、対立先鋭化

2018/3/27 0:41
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【ワシントン=川合智之、ブリュッセル=森本学】米欧各国は26日、英国で起きたロシア元情報機関員の暗殺未遂事件にロシアが関与したと断定し、ロシア外交官らの国外追放を一斉に発表した。米政府は60人を追放し、シアトルのロシア領事館閉鎖も発表した。EU加盟国14カ国も外交官追放を決めた。事件への関与を否定するロシアと米欧の対立が一段と深まるのは必至だ。

米ホワイトハウスは声明で「ロシアは英国で軍事級の化学兵器を使用した」と断じた。シアトルの領事館閉鎖は「米潜水艦基地とボーイング社が(同領事館と)近い」ためと説明した。「米国は対ロ関係改善で協力する準備があるが、それはロシア政府の態度が変わらなければ実現できない」とも述べた。

トランプ政権は2016年の米大統領選に対する介入疑惑を巡り、ロシア企業や情報機関への制裁に踏み切ったばかり。外交官らの追放でロシアへの圧力を一段と強めた。

欧州連合(EU)のトゥスク大統領も26日、訪問先のブルガリアで記者会見し、EU加盟国のうちドイツやフランスなど14カ国がロシア外交官の追放を決めたと発表した。トゥスク氏は対ロシア制裁に追随する加盟国が数日中にさらに増える可能性も示した。

ドイツはロシア外交官4人を7日以内に追放することを決めたと公表。欧州メディアによるとフランスとポーランド、イタリア、オランダ、チェコ、バルト3国なども追放を決めた。EUは23日、同事件にロシアが関与した可能性が高いとする英国の主張を「団結して支持する」との声明を公表していた。

英国は14日にロシア外交官23人の追放を軸とする制裁を発表済み。米欧が英国に同調してロシアへの圧力を強めるのは、この事件を国家安全保障の危機ととらえているからだ。

英南部で4日に発生したロシア元情報機関員の暗殺未遂事件は、旧ソ連の神経剤「ノビチョク」が使用されたとみられている。米英独仏の4カ国首脳は「第2次世界大戦以来初めて、欧州が神経剤によって攻撃された」と断定した。米政府高官は「英での攻撃への対応というだけではなく、ロシアによる国際的な不安定化、挑発行為への対抗措置でもある」と述べ、シリアやウクライナへのロシアの介入も念頭にあることを示唆した。

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