見直し13線区で初 JR北、夕張支線19年4月廃線
JR北海道と夕張市は23日、石勝線夕張支線(新夕張―夕張、16.1キロメートル)について廃線することで合意した。2019年4月1日に廃線とする。JR北が見直しを進める13線区で廃線が正式に決まるのは初めて。JR北は廃線後のバス転換にかかる費用として7億5千万円を拠出する。市はこうした支援をもとにバスを中心とした新たな公共交通網づくりをめざす。
市は鉄道の廃線後、市内を南北につなぐ路線バスを1日10往復程度設ける方針。JR北はバスの車両購入やバスを運行する夕張鉄道(夕張市)の赤字補填のためなどの名目で費用負担する。
市は南清水沢地区にバスの乗り入れもできる複合拠点施設を19年度に開設する計画。JR北は施設建設にあたり必要となる用地の一部を市に譲渡することでも合意した。
同線区を巡っては16年8月、夕張市がJR北に対して廃線を提案。市はJR北と約1年半にわたって廃線に向けた具体的協議を続けてきた。鈴木直道夕張市長は「今ここから持続可能な交通体系のモデルといわれる新たな歴史をつくっていく」と話した。
JR北が見直し対象として公表した13線区では初の廃線決定となる。他線区の今後の議論への影響について、JR北の島田修社長は「新しい公共交通網として、何がふさわしいかを街づくりの観点から捉えるのは(他の線区でも)参考にしなければならない」と話した。
夕張支線は1892年に開業。炭鉱の街として栄え、1975年度に2300人あった輸送密度(1キロメートルあたりの1日平均輸送人員)は16年度は80人まで減少していた。同線区は来年、120年あまりの歴史に幕を閉じることになる。
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