「ペーパーレス化 想定以上」リコー社長、大幅赤字で

2018/3/23 18:02
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リコーは23日、買収した北米の事務機販売子会社などで収益が低迷し、1800億円の減損損失を計上すると発表した。2018年3月期に過去最大の1600億円の連結営業赤字(前期は338億円の黒字)に陥る。山下良則社長は都内で会見し、「こんなに早くデジタル化とモバイル化が進むと思わなかった」と話した。主なやり取りは以下の通り。

記者会見するリコーの山下良則社長兼最高経営責任者=CEO(23日午後、東京都千代田区)

――買収で当初と見込み違いがあったのか。

「ほぼ10年前の買収だが、当時は台数が多いと保守メンテナンスの機会が増え、利益が増えるというビジネスモデル。買収した年にリーマン・ショックが起き、プリンティングの価値が相対的に落ちた。デジタル化とモバイル化がこんなに早く進むとは思わなかった。そこが一番大きい」

――ペーパーレス化の進展具合をどうみるか。

「一言では言えない。国内は昨年も紙の需要が増えた。米国は急減している。オランダも同様のスピードで減っている。英国はそうでもない。先進国でもペーパーレス化にばらつきがある。紙が減った分、電子データが増えている。電子データを制御・加工する仕事が企業に増えている。米、オランダをみて電子データの加工や価値向上に我々が先手を行く。これが成長戦略だ」

――今後も資産整理は続くのか。

「ほぼ構造改革の山は越えた。ほぼ終えると理解してもらってよいと思います」

――米国などで追加のリストラ策は。

「米国の業績は目標に届いていない。お客様接点の営業力を強くしながらバックヤードのIT(情報技術)化、業務改革は続ける。それに沿って人員の入れ替えはある」

――日欧のリストラは。

「何人減らしたいという目標値はない。付加価値をあげる、地域によっては成長させる。どの地域であと何人という計画はない」

――米社買収は高値づかみだったのか。

「当時直接関わっていないが、そのようなことはない。大手企業との取引やサービスノウハウをリコーの米国法人は持っていなかった。それを補ったのが当時の買収。高値づかみというのは正しい表現ではない」

――複写機業界は厳しい。他社に比べて成長が遅れているのか。

「2つの視点がある。1つはコア事業、複写機を置いて保守メンテナンスというビジネス。他社にもしかしたら負けている。顧客基盤という直売網はリコーが強い。デジタル化する中で顧客と接点があるリコーは優位性があるが、活用が遅れている」

――1700億円の赤字は創業以来の最大。受け止め方は。

「本当に深刻に受け止めている。確かに創業以来最大の赤字。額が大きいことは社員、株主、取引先に対して重く受け止めている。事業の見方、それぞれの事業の投資の配分に対する考え方が決まってきている。実行していくのが2018年度の成長戦略だ。背筋を伸ばして取り組む」

――昨年まで減損を認識できなかった。

「画像&ソリューションという大きなセグメントで事業管理し、その単位で減損テストしていた。その時には減損の兆候がなかった。大きな単位で伸びるところと伸びないところが一緒になっている。細分化してテストしてもらった結果だ」

――マネジメントの責任は。

「減給処分は考えていない。ペーパーレス化への対応が適切でなかった責任がある。大きな赤字計上は重く感じている。早急な回復を実行していくことが責任の取り方だ」

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