物価上昇、先行きは鈍化か コスト高が実質賃金抑制

2018/3/23 16:15
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消費者物価の上昇率が当面鈍るとの見方が民間エコノミストの間で強まっている。2月は生鮮食品を除く指数が3年半ぶりの高い伸びとなったものの、コスト増による物価高が目立ち、消費を抑える心配があるためだ。足元で進む円高も輸入物価を抑える。物価の伸びは18年半ばにかけて再び0%台に低下するとの見方が増えている。

総務省が23日発表した2月の消費者物価指数(CPI)は、生鮮食品を除く指数が前年同月比1.0%上がった。消費増税の影響を除くと2014年8月以来、3年半ぶりに1%に乗った。

ただ、2月の物価は一時的な要因による押し上げが強い。ガソリンや灯油が値上がりし、電気代などを含むエネルギー関連が物価を0.51ポイント押し上げた。中国の春節(旧正月)や平昌五輪で、国内外の旅行商品が値上がりしたのも大きい。人手不足が影響しやすい外食や運送料も高かった。

コスト増がもたらす物価高は消費を抑え、物価上昇が広がりにくくなる。大和総研の長内智氏は「18年はベースアップよりも物価上昇率の方が高く、実質賃金は前年比マイナスになる可能性がある」と指摘する。

年初からの円高も物価の下落圧力になっている。日銀が発表した2月の企業物価指数では、最終財のうち消費財(輸入品)が9カ月ぶりに前年比で下落に転じた。最終財の動きは数カ月遅れでCPIに波及するとされ、「18年半ばにかけて物価上昇率は鈍化する可能性がある」(農林中金総合研究所の南武志氏)。

日銀は物価の基調を見るために、エネルギーも除いたベースのCPI上昇率を重視している。ただ、この指数は2月も0.5%の上昇にとどまる。東海東京証券の佐野一彦氏は「エネルギーを除いたベースでも1%を上回らないと、日銀は政策調整に動かないのではないか」とみている。

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