2018年11月13日(火)

米鉄鋼輸入制限、日本も対象「極めて遺憾」 経産相

2018/3/23 11:12
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トランプ米政権による鉄鋼とアルミニウムの関税引き上げに対し、閣僚や経済界に懸念が広がっている。世耕弘成経済産業相は23日午前の閣議後の記者会見で「日本も対象となる形で発動される措置は極めて遺憾」と表明した。日本の素材メーカーへの直接の影響は小さいとみられるものの、貿易摩擦の広がりは企業の成長の壁となるだけに、警戒が強まっている。

記者会見する世耕弘成経済産業相(23日午前、経産省内)

米国の措置では欧州連合(EU)や韓国など7カ国・地域が関税の適用を一時的に猶予される一方、日本は猶予の対象になっていない。世耕経産相は「各国によって事情が違う」と詳細な分析を避けた。菅義偉官房長官は日本からの鉄鋼やアルミの輸入は「米国の安全保障に悪影響を与えることはない」と重ねて主張した。

米国の輸入制限に各国が対抗措置をとると、日本にも思わぬ形で影響が及びかねない。農産品の輸出入を所管する斎藤健農相は「保護主義がどんどん拡大するのは好ましくない」と指摘。河野太郎外相は日本が輸入制限に関する懸念を米側に伝えているとした上で「今後も意見交換していく」と説明した。

保護主義的な動きは米国株の下落を招き、23日は日経平均株価も大きく下げた。茂木敏充経済財政・再生相は「世界経済にどういう影響与えるか。米国の株価も動いているし、しっかり注視したい」と述べた。

日本貿易会の小林栄三会長(伊藤忠商事会長)は22日の記者会見で「国のリーダーの発言に右往左往しているが、保護貿易は経済活動にとって決してプラスにならない」と指摘。保護主義的な動きへの懸念は強い。

目先の影響は限られるとの見方が多い。日本の鋼材輸出量のうち、米国向けは2%程度。鉄道用のレールやガス・石油掘削用の鋼管など「耐久性や防さび性に優れた品目で、日本企業しか手掛けられない」(新日鉄住金)。新日鉄住金は上乗せされる関税分を販売価格に転嫁できるとみており、業績への影響は軽微にとどまる見通しだ。

輸入制限の発動は商品市況に影響するとの声は出ている。ある鉄鋼メーカーは「影響が出るとすれば鉄スクラップだ。米国向けの鋼材が売れなくなれば、減産によって鉄スクラップの価格が下がる。その後、日本国内を含む鋼材全般の値下がり要因となりそうだ」と予想する。

野村証券の大越龍文シニアエコノミストは「世界景気の後退が懸念され、穀物や非鉄の値下がり材料として意識されやすい」と指摘する。とりわけ高値への警戒感が出始めているアルミニウムや銅といった非鉄金属は今後「大きく下げる展開も考えられる」とみる。

中国による知的財産権の侵害を理由にする制裁措置については、麻生太郎財務相は、内容を精査するとともに「米国の動向を注視する」と語った。河野外相は「米国の懸念は日本も共有するところがある」としながら「世界貿易機関(WTO)に反する措置にならないよう注視する」と述べた。世耕経産相は一般論と断った上で、技術情報の開示要求や知財侵害などの市場わい曲的措置は「日本にとって深刻な懸念だ」と指摘した。

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