2018年11月19日(月)

米、中国製品5兆円に制裁 知財侵害で301条発動へ

2018/3/23 1:16 (2018/3/23 2:15更新)
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【ワシントン=河浪武史】トランプ米政権は22日、中国による知的財産権の侵害を理由に、500億ドル(約5.2兆円)相当の同国製品に高関税を課す制裁措置を正式表明した。大統領権限で強力な貿易制限をかける「通商法301条」を発動し、中国企業の対米投資も一部制限する。中国の知財侵害は日米欧がそろって問題視してきたが、米国が鉄鋼などの輸入制限に続き一段と強硬な施策をとることで、米中間の摩擦の激化は必至だ。

米通商代表部(USTR)は昨年夏にトランプ大統領の指示を受け、中国の知財侵害の実態を調査してきた。USTRは22日までに「米企業が中国に進出する際、合弁企業の設立などで技術供与を強要されている」などと、中国の知財侵害を「クロ」と認定した。

トランプ大統領はUSTRの報告を受けて、22日に中国製品に制裁関税を課す大統領令に署名した。関税引き上げの対象商品はUSTRが15日以内に公表するが、ホワイトハウス高官によると、対象品目はハイテク製品が中心となる通し。制裁対象の総額は500億ドル規模と巨大で、中国からのモノの輸入総額(年5千億ドル)の約1割に相当する。

中国企業の対米投資も制限する。22日の大統領令では、米財務省に具体策の策定が指示される予定だ。財務省は中国企業の投資制限案の詳細を60日以内に決める。中国の政府系企業が最新技術の確保を狙って米国企業を買収したり投資したりするのを避ける狙いだ。

同時に世界貿易機関(WTO)に中国の知的財産権の侵害を提訴する。ホワイトハウス高官は「中国当局は米企業の現地進出時に、不当に中国企業に技術をライセンス供与するよう求めている」と批判。国際通商筋によると、日本と欧州連合(EU)もWTO提訴に加わる可能性がある。

トランプ大統領が今回発動する通商法301条は、1974年に制定し、80年代の日米貿易摩擦時にも日本に譲歩を迫る材料として繰り返し使われた。日本製のパソコンやカラーテレビに高関税を課し、日本は輸出自主規制などの対応を迫られた経緯がある。ただWTOルールに抵触する可能性が高く、歴代米政権は95年のWTO発足後は通商法301条の発動を控えていた。

中国の知財侵害は米国だけでなく日本、欧州も問題視してきた。米国は中国との経済対話などで解決をめざしてきたが、トランプ政権は「中国は問題を先送りしている」として強硬措置に踏み切る。中国が反発し報復措置に出る可能性もあり、大国間の貿易摩擦は深刻だ。米政権は23日、鉄鋼とアルミニウムの関税を引き上げる輸入制限も発動する。米通商政策は一段と強硬さを増し、世界経済を大きく揺さぶる。

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