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イチローからゴードンへ 受け継がれる日本の心
元横浜ベイスターズ監督 山下大輔

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2018/3/24 6:30
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日本の野球の「心」はメジャーにも伝わり、根付くだろう――。取材で訪れた米アリゾナのキャンプ地で、イチローを師と仰ぐディー・ゴードン(29、マリナーズ)と再会した私は、そう確信した。

メジャー30球団は15球団ずつ二手に別れ、米フロリダ州とアリゾナ州でキャンプを行う。それぞれの土地の特長から、フロリダのキャンプはグレープフルーツ・リーグ、アリゾナのキャンプはカクタス(サボテン)・リーグと呼ばれる。私が訪れたのは「カクタス・リーグ」で、ドジャースやマリナーズなどがキャンプを張っている。

練習前にゴードン(右)と話し笑顔を見せるイチロー=共同

練習前にゴードン(右)と話し笑顔を見せるイチロー=共同

エンゼルスのキャンプ地もここ。投打二刀流の大谷翔平に注目が集まる一方、イチローが6年ぶりにマリナーズに復帰し、ひときわにぎやかになっていた。

抜群のスピードが災いにも

ここは私にとっても思い出の地だ。2009年から10年にかけ、ドジャース傘下のマイナーチームの守備コーチを務めた。どこまでも青い大空の下、砂漠の大地に映える深緑の芝の上でノックバットを振った日々の記憶は私の宝物になっている。

ドジャースのコーチとして出会ったとき、ゴードンはまだ21歳のやんちゃな若者だった。メジャー通算138勝の投手、トムを父に持つ彼はやせぎすだったが、抜群のスピードと運動神経を備えていた。垂直ジャンプをしても、2メートル近い大男が届かないところに、180センチに満たない彼が楽々届いてしまう。

内野手としてはそのスピードが災いすることもあった。ときおりアクロバティックなプレーをみせる代わりに、平凡な正面のゴロをはじくこともしばしば。なまじスピードがあるから、その勢いのままゴロにつっこんでいくと、ボールとグラブが高速で"正面衝突"してしまう。優しく受け止めて、球の勢いを殺すことが捕球の基本。ゴードンはその逆で、球の勢いを増幅させてしまうようなアプローチをしていたわけだ。

教えたのは心構えや考え方

「スローダウンだよ」と私は諭した。球際のスローダウン。つまり、スピードを落とし、ゴロとグラブの正面衝突を避けよう、ということだ。「カーム(穏やかに)」という言葉もよく用いた。テーブルの上に動かずにあるものを何気なく取るように、ゴロにも穏やかに、静かに接すること――。

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